仮処分命令申立事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和3(ヨ)22075
判決日2022-11-25
分類民事 / 著作
判決種別決定
判決文が挙げた条文著作権法10条1項5号、著作権法20条2項2号、著作権法20条2項4号、著作権法112条1項

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 版画美術館及び本件庭園の著作物性(争点1)
(2) 版画美術館及び本件庭園の著作者(争点2)
(3) 本件各工事によって版画美術館及び本件庭園に加えられる変更が債権者の
意に反する改変に該当するか(争点3)
(4) 本件各工事によって版画美術館及び本件庭園に加えられる変更が「建築物
の増築、改築、修繕又は模様替えによる改変」(著作権法20条2項2号)に
該当するか(争点4)
(5) 本件各工事によって版画美術館及び本件庭園に加えられる変更が「やむを
得ないと認められる改変」(著作権法20条2項4号)に該当するか(争点5)
(6) 保全の必要性(争点6)
3 争点に関する当事者の主張
当事者の主張の要旨は以下のとおりであり、その詳細は各主張書面に記載の
とおりであるから、これらを引用する。
(1) 争点1(版画美術館及び本件庭園の著作物性)について
(債権者の主張の要旨)
ア 版画美術館の著作物性
(ア) 版画美術館は、設計者である債権者の思想及び感情が表現された芸術
品である。
実際、版画美術館について、芝浦工業大学名誉教授であり、東京建築
士会会長、日本建築士会連合会会長等を務めたBは「こういう版画美術
館が多くの市民や版画ファンに愛され、いきいきと使われている幸せな
建築として高く評価されたのである。」(甲A12)と、ペンシルヴェ
ニア大学客員教授、東京大学名誉教授、アメリカ建築家協会名誉会員及
び日本建築家協会名誉会員であるCは「「町田市立版画美術館」は現代
建築の秀れた作品として高く評価され、また町田市民を始め、多くの人
々に愛されている公共施設であります」(甲A13)と、町田市都市計
画審議会会長を務め、東京都立大学名誉教授であるDは「公共的な建築
物の設計・建設に際しては設計者の提案のオリジナリティが市民共有の
財産として大切にされるべきであり、…そのオリジナリティは、設計者
の著作権を構成するものでもあります。」(甲A14)と、総合計画研
究所代表及び日本建築家協会・登録建築家であるEは「工芸美術館を版
画美術館との連続性を持たせる構想は意匠の連続性を損ない、版画美術
館の著作権を損なうものと考える。」(甲A16)と、それぞれ指摘し、
そのほかにも権威ある専門家が高く評価している(甲A17、18、2
0)。
さらに、版画美術館は、その高い芸術性を評価され、BELCA賞ロ
ングライフ部門賞及びJIA25年賞を受賞しており、建築界全体が、
版画美術館が債権者の思想又は感情の表現物であり、高い芸術性・文化
性を有する建造物であることを是認しているというべきである。
したがって、版画美術館は「建築の著作物」(著作権法10条1項5
号)に該当する。
(イ) 債務者は、版画美術館について、専ら版画専門の美術館としての機能
性及び実用性に意を注

主文(判決文より)

1 本件申立てをいずれも却下する。
2 申立費用は債権者の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。