不正競争防止法違反

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和3特(わ)129
判決日2022-12-09
分類知的財産
判決文が挙げた条文不正競争防止法2条6項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は、本件ファイル①ないし③(以下、3つのファイルを併せて「本
件各ファイル」という。)に秘密管理性、非公知性及び有用性が認められ、本件
各ファイルが営業秘密に該当するといえるか、及び被告人が本件各ファイルが営
業秘密に該当することを認識していたかである。当裁判所は、本件各ファイルは
営業秘密に該当し、被告人はそのことを認識していたと判断したので、以下その
理由を補足して説明する。
第2 理由
1 前提となる事実
以下の事実は、証拠により容易に認定可能であり、当事者も争っていない。
⑴ A株式会社(商号変更前はB株式会社。以下、両社を指して単に「A」と
いうこともある。)は、携帯電話等の通信サービスを提供する大手電気通信事業
者の一つであり、D社は、Aのネットワークの拡張に不可欠な光ファイバの調達
に関する企画業務等を行う、Aの完全子会社である。
⑵ 被告人は、平成16年7月1日にE株式会社に入社し、同社が平成27年
4月1日にB株式会社に吸収合併されて以降は、令和元年12月31日付けで退社
するまでAの社員であり、同年12月当時は、D社に出向して同社の社員も兼務し、
ネットワーク設計業務などを担当していた。被告人は、Aを退社するに当たり、判
示の日時に判示記載の方法で本件各ファイルの複製を作成した。被告人は、令和2
年1月1日付けでF株式会社(以下「F」という。)に入社し、ネットワーク設計
業務などを担当した。
- 2 -
⑶ ア Aは、情報管理規程を定め、情報資産を極秘情報、部外秘情報、社外
秘情報及び一般情報に分類した上で(前三者を総称して機密情報とする。)、作
成者はその区分を情報資産に明示しなければならないとしており、同社のネット
ワーク構成に関する情報等を、業務上の取扱い部署等以外に開示してはならない
部外秘情報として取り扱っていた。D社でも、こうした情報管理規程が流用され
ており、情報資産について同様の取扱いをしていた。また、AとD社との間では、
卸電気通信役務の提供及び利用に関する基本契約が締結されており、いずれも、
相手方の書面による事前の承諾を得ない限り、本契約の履行に際して知り得た相
手方の販売上、技術上その他の業務上の情報を第三者に開示し又は本契約の履行
の目的以外に利用してはならないとされていた。
イ Aでは、入社時に秘密保持に関する誓約書を、さらに退社時に誓約書
を提出させ、退社後もネットワーク構成に関する情報などの機密情報を自ら若し
くは第三者のために利用し又は第三者に開示、漏洩しない旨誓約させている。ま
た、Aの社員就業規則でも、職務上知り得た機密を他に漏らしてはならず、かつ、
会社のため以外に同機密を使用又は利用してはならず、退職後も該当社員の責め
に帰すべからざる事由によりこれら機密が公知の状態となるまで同様とされ

主文(判決文より)

被告人を懲役2年及び罰金100万円に処する。
その罰金を完納することができないときは、1万円を1日に換算した期間被
告人を労役場に留置する。
この裁判が確定した日から4年間その懲役刑の執行を猶予する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。