損害賠償請求等事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和3(ワ)23881
判決日2023-01-17
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
⑴ 本件記事につき名誉毀損による不法行為が成立するか
⑵ 原告に生じた損害及びその額
⑶ 本件ウェブサイト上に掲載されている本件記事の削除の要否
⑷ 謝罪広告掲載の要否
4 争点に関する当事者の主張
⑴ 争点⑴(本件記事につき名誉毀損による不法行為が成立するか)について
ア 本件記述1について
本件記述1が原告の社会的評価を低下させるか
a 原告の主張
本件記述1は、「原告が令和3年3月29日付け日経新聞の朝刊の1
面に掲載した『石炭火力 輸出支援を停止 首相、来月にも表明 脱炭
素で米欧と歩調』と題する記事(以下「本件日経記事1」という。)は誤
報であった」との事実を摘示するものであり、一般の読者に対して、原
告の編集局で編集される日経新聞の記事は営業部門の脱炭素ビジネス
により歪められているため現に誤報が生じているとの印象を与えるも
のであるから、原告の社会的評価を低下させる。
b 被告の主張
本件記述1が本件日経記事1は誤報であったとの事実を摘示してい
ることは争わないが、不法行為と評価されるほどに原告の社会的評価を
低下させるものではない。
本件記述1について違法性阻却事由が認められるか
a 被告の主張
⒜ 公共性及び公益目的について
本件記事は、我が国の経済、社会に大きな影響力を有する原告の取
材の杜撰さ、性急な脱炭素に世論を誘導する恣意的な報道等について
問題提起したものであって、これを本件雑誌及び本件ウェブサイトに
掲載した行為は、公共の利害に関する事実に係り、かつ、専ら公益を
図る目的に出たものである。
⒝ 真実性について
A内閣官房長官(以下「A官房長官」という。)は、本件日経記事1
が報じられた当日午前の定例会見において、海外で新設される石炭火
力発電に対する政府支援を全面停止する検討に入った事実はないと
述べ、B経済産業大臣(以下「B経産大臣」という。)も、本件日経記
事1が報じられた翌日の閣議後の記者会見において、A官房長官と同
様に上記事実はないと述べた。
本件日経記事1の中には、「米国主催で22日に開く『気候変動サ
ミット』で表明する段取りを描く。」との記載があるが、実際には、気
候変動サミットにおいて、C首相(以下「C首相」という。)が輸出支
援停止の政府方針を表明した事実はない。
これらのことからすると、本件日経記事1は誤報であったとの摘示
事実は真実である。
⒞ 真実相当性について
内閣官房に設置された経協インフラ戦略会議は、令和2年7月9日、
「インフラ海外展開に関する新戦略の骨子」(以下、単に「新戦略の骨
子」という。)を策定し、同年12月10日、「インフラシステム海外
展開戦略2025」を決定した(以下「新戦略」という。)。これらで
は、石炭火力発電の輸出支援に関する従来の要件を厳格化しつつも継
続するとされてい

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、220万円及びこれに対する令和3年5月1日から支払
済みまで年3%の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は、これを18分し、その17を原告の負担とし、その余は被告の負
担とする。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。