発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和3(ワ)33763
判決日2023-01-30
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文プロバイダ責任制限法2条3号
当事者原告 株式会社ケイ・エム・プロデュース/被告 ソフトバンク株式会社

この事件の代理人

  • 戸田泉(原告代理人)/第一東京弁護士会
  • 金子和弘(被告代理人)/東京弁護士会

争点(判決文より)

本件の争点は、権利侵害の明白性及び特定電気通信該当性であり、この点に関
する当事者の主張は、以下のとおりである。
(原告の主張)
1 本件調査の内容
BitTorrentにおいては、特定のファイルをダウンロードしようとす
るユーザーが、トラッカーサーバーに接続して当該ファイルの提供者のリストを
要求すると、トラッカーサーバーは、自身にアクセスしているファイル提供者の
IPアドレスが記載されたリストをユーザーに返信する仕組みとなっている。本
件調査は、この仕組みを利用し、監視ソフトがトラッカーサーバーに接続し、本
件各動画のファイルの提供者のリストを要求して、トラッカーサーバーから当該
提供者のIPアドレスが記載されたリストの返信を受け、当該リストのデータを
本件検知システムのデータベースに記録している。そして、当該リストに記載さ
れたIPアドレスが、別紙動画目録記載のIPアドレスである。
本件調査においては、実際に当該リストに記録されていたユーザーに接続をし
て、当該ユーザーからの応答を確認しており(以下、この応答確認を「Hand
shake」という。)、別紙動画目録記載の「発信時刻」欄の日時は、当該応
答確認(Handshake)が行われた日時である。
2 権利侵害の明白性
BitTorrentは、ユーザーが、トラッカーサーバーから他のピア(当
該ネットワークに参加しているコンピューター。以下同じ。)の情報を取得して、
他のピアからファイルのピースを相互にダウンロード及びアップロードしてい
くシステムであるから、上記のトラッカーサーバーにアクセスしてファイルのピ
ースをダウンロード及びアップロードするまでの流れ全体が「特定電気通信」に
該当する。そして、上記の本件調査及びBitTorrentの仕組みによれば、
本件発信者は、遅くとも別紙動画目録記載の「発信時刻」欄の日時までに、本件
各動画のファイルの全部又は一部を取得して端末に保存し、これと同時に、他の
ピアからの要求に応じて当該ファイルの送信(アップロード)をすることができ
る状態にいたことになるから、本件発信者は、遅くとも当該日時までに、Bit
Torrentのネットワークを介した「特定電気通信による情報の流通」によ
って、本件各動画に係る原告の送信可能化権を侵害したといえる。
また、上記のHandshakeが行われたということは、本件発信者が、本
件検知システムの要求に応じて、自動的に本件各動画をダウンロードできる状態
にしていたことを示すものであるから、このHandshakeによって、原告
の送信可能化権が侵害されたということができる。
3 本件各動画との同一性
BitTorrentにおいては、共有されるファイルを電子的に特定するた
めに、ファイルごとにハッシュが定められているところ、本件各動画と

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。