手続却下処分取消等請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和4(行ウ)62
判決日2023-01-31
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法8条、特許法184条

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
原告が本件国内書面提出期限内に本件明細書等翻訳文又は国内書面を提出し
なかったことにつき「正当な理由」(特許法184条の4第4項)があるか否
か
4 争点に関する当事者の主張
(原告の主張)
⑴ 「正当な理由」の解釈
特許法184条の4第4項は、法定の期間内に手続をすることができなか
った場合の救済手続について規定したものであり、特許法等の一部を改正す
る法律(平成23年法律第63号。以下「平成23年改正法」という。)に
よる改正により新設されたものであること、特許法条約(PLT)12条は、
加盟国に対し、手続期間を徒過した場合の救済を認める要件として、「状況
により必要とされる相当な注意を払ったにもかかわらず当該期間を遵守する
ことができなかったものである」との主観的基準によることを求めているこ
と、特許庁のウェブページにも、「正当な理由」は、上記特許法条約12条
の要件と同様に、「状況に応じて必要とされるしかるべき措置」を講じてい
たかどうかを判断基準としていると記載されていることに照らすと、期間内
に手続をすることができなかったことにつき「正当な理由」があるか否かの
判断は、①手続又は優先権主張を伴う出願をするために出願人等が何らかの
措置を講じていたか、②当該措置が状況に応じて必要とされるしかるべき措
置であったか、③当該措置にもかかわらず、何らかの理由により期間徒過に
至ったかという基準により判断されるべきである。なお、上記の「しかるべ
き措置」とは、特許法条約12条に規定する「状況により必要とされる相当
な注意を払っ」ていることを示す措置(以下「相応の措置」という。)のこ
とであると解釈すべきであり、その措置を講ずれば全ての「何らかの理由に
よる期間徒過」を防げるような完璧な措置ではないことは明らかである。な
ぜなら、相応の措置としてそのような完璧な措置を求めるのであれば、そも
そも全ての「何らかの理由による期間徒過」はその措置により防げるのであ
り、本救済規定の「正当な理由」の意義が没却されるからである。
⑵ 本件において「正当な理由」があること
ア 期限徒過の発生経緯について
(ア) ガウリング国際法律事務所(以下「本件事務所」という。)における
特許期限管理方法
本件事務所は、本件PCT出願及び本件国内書面等提出手続について
原告から委任を受けたA弁護士(以下「本件弁護士」という。)が所属
する事務所である。本件事務所では、特許期限管理の体系的な一括管理
を行うために、CPA Global社の特許期限管理システムである
Inprotechシステム(以下「本件システム」という。)を使用
している。
本件システムにおいては、毎日生成・更新される特許出願未処理案件
の期限の一覧表(以下「期限管理リスト」という。)を出力することが
できるとこ

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
3 この判決に対する控訴のための付加期間を30日と定める。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。