事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和4(ワ)22602 |
| 判決日 | 2023-02-16 |
| 分類 | 民事 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | プロバイダ責任制限法2条3号 |
| 当事者 | 原告 株式会社MBM/被告 KDDI株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点及びこれに対する当事者の主張 本件における争点は、権利侵害の明白性であり、より具体的には、本件調査の 信用性が争われている(令和4年12月9日付け経過表参照)。 原告の主張 ア 本件調査会社は、BitTorrentを利用した違法ダウンロード及び アップロードの特定に際しては、μtorrentというクライアントソフ トを利用しているが、同ソフトは、BitTorrentをより効率的に利 用することを可能とするために開発されたソフトウェアであり、BitTo rrentを利用して特定ファイルのダウンロードを行っているピアのI Pアドレスを機械的に取得して表示するものであるから、そこに恣意が入る 余地はない。 そして、本件調査会社は、本件調査において、μtorrentを利用し て、本件発信者が、別紙発信者情報目録記載2の日時頃、同目録記載のIP アドレスの割当てを受けて、BitTorrentのネットワークに参加し、 本件動画に係るファイルのダウンロード及びアップロードを行っているこ とを確認している。 イ 以上によれば、本件発信者が、別紙発信者情報目録記載2の日時頃、被告 の提供するインターネット接続サービスを利用し、同目録記載のIPアドレ スの割当てを受けてインターネットに接続し、BitTorrentを用い て、本件動画を複製したファイルを、不特定多数の他のBitTorren tの利用者からの求めに応じて自動的に送信し得る状態にしたことが認め られる。 そして、本件発信者の上記行為につき、違法性阻却事由の存在をうかがわ せる事情は認められないから、本件動画に係る原告の送信可能化権が侵害さ れたことは明白であるといえる。 ⑵ 被告の主張 ア 原告の主張は、本件調査に基づき作成された甲4号証、甲5号証及び甲1 0号証に依拠しているところ、これらの各書証の作成者である本件調査会社 は、μtorrentの開発者ではなく、また、BitTorrentのネ ットワークを通じてファイルをダウンロード及びアップロード可能な状態 に置いたIPアドレスの特定に関し、専門技術を有する者であるか否かも不 明である。したがって、上記各書証は、本件調査の信用性を裏付けるもので あるとはいえない。 また、市販のソフトウェアを用いてIPアドレスを変更することは可能で あることからすれば、BitTorrentの仕組みにおいて、IPアドレ ス等に関して暗号化や偽装の介入する余地がないとはいえないため、本件発 信者以外の第三者が、別紙発信者情報目録記載のIPアドレスを偽装した可 能性も排除できない。 イ 以上によれば、本件発信者が本件動画に係る原告の送信可能化権を侵害し たことが明らかであるとはいえない。
主文(判決文より)
1 被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。 2 訴訟費用は被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。