損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和3(ワ)8866
判決日2023-02-27
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
⑴ 本件ホテルの設置又は保存における瑕疵の有無
⑵ 被告の宿泊契約上の安全配慮義務違反の有無
⑶ 本件ホテルの瑕疵と亡Dの死亡との因果関係
⑷ 亡D及び原告らの損害
⑸ 過失相殺の有無及び割合
4 争点に対する当事者の主張
⑴ 争点⑴(本件ホテルの設置又は保存における瑕疵の有無)について
(原告らの主張)
ア 亡Dが本件客室にチェックインした当時には既に、本件窓の開閉を制限
するために同窓の下枠に取り付けられている金属製の棒状の器具(以下
「開閉制限器具」という。)の安全ピン及びそのプラスチックカバーが
外れており、窓を全開にできる状態にあった。そして、本件客室内には、
本件バルコニーへの立入りを禁止するような掲示はなく、かえって、本
件客室内に掲示された避難経路図には、「万一の場合は最寄りの避難階
段又はバルコニーをご利用ください。」との記載があり、本件バルコニ
ーに人が立ち入ることが前提とされていた。このように、亡Dが本件客
室にチェックインした当時、本件客室は、その宿泊客が同窓から本件バ
ルコニーに容易に立ち入ることができる状況にあった。
イ また、本件バルコニーの柵の高さは、建築基準法施行令126条1項に
よれば1.1m以上にしなければならないにもかかわらず、72cmし
かなく、同法に違反した状態であった。
ウ そして、本件バルコニーが地上22階という高層階に設置された工作物
であり、宿泊客が同所から落下すれば確実に死亡することになるから、
本件ホテルには極めて高度な安全性が要求される。具体的には、本件ホ
テルには、本件バルコニーの柵の高さを1.1m以上にする、本件窓を
全開にすることや本件バルコニーに立ち入ることの危険性を宿泊客に注
意喚起をする、本件窓の開閉制限器具にプラスチックカバー付き安全ピ
ンを取り付けることで同窓が全開できないようにし、本件バルコニーへ
の安易な立ち入りを防止するといった転落防止措置が施されるべきであ
ったが、上記ア及びイのとおり、これらの措置が施されていなかった。
そうすると、本件ホテルは、通常予想される危険の発生を防止すること
ができておらず、通常有すべき安全性を欠いているというべきであるか
ら、設置又は保存に瑕疵がある。
(被告の主張)
ア 本件窓は、床から約73cmの高さに設置された腰高窓であって、本件
客室の宿泊客がこのような窓から外に出ることは、一般的に極めて異例
である。さらに、同窓には、亡Dの宿泊時も含め、同窓の開閉を制限す
るための安全ピン及びそのプラスチックカバーが設置され、これらを外
さない限り同窓を全開にはできない状態になっていたし、窓枠には本件

主文(判決文より)

1 被告は、原告Aに対し、889万6055円及びこれに対する令和元年8月
△日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は、原告Bに対し、444万8027円及びこれに対する令和元年8月
△日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 被告は、原告Cに対し、444万8027円及びこれに対する令和元年8月
△日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
5 訴訟費用は、これを7分し、その6を原告らの、その余を被告の負担とする。
6 この判決は、第1項ないし第3項に限り、仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。