事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和4(ワ)18353 |
| 判決日 | 2023-03-16 |
| 分類 | 民事 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | プロバイダ責任制限法2条3号 |
| 当事者 | 原告 株式会社MBM/被告 KDDI株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点及びこれに対する当事者の主張 本件における争点は、権利侵害の明白性であり、具体的には、本件調査の信用 性である(令和5年1月11日付け経過表参照)。 ⑴ 原告の主張 ア 本件調査会社は、BitTorrentを利用した違法ダウンロード及び アップロードの特定に際しては、μtorrentというクライアントソフ トを利用しているが、同ソフトは、BitTorrentを利用しやすくす るために開発されたソフトウェアであり、BitTorrentを利用して 特定のファイルのダウンロードを行っているピアのIPアドレスを機械的 に取得して表示するものであるから、そこに恣意が入る余地はない。 そして、本件調査会社は、本件調査において、μtorrentを利用し て、本件発信者らが、別紙発信者情報目録記載の日時頃、同目録記載のIP アドレスの割当てを受けて、BitTorrentのネットワークに参加し、 本件ファイルのダウンロード及びアップロードを行っていることを確認し ている。 イ 以上によれば、本件発信者らが、別紙発信者情報目録記載の日時頃、被告 の提供するインターネット接続サービスを利用し、同目録記載のIPアドレ スの割当てを受けてインターネットに接続し、BitTorrentを用い て、本件動画を複製したファイルを、不特定多数の他のBitTorren tの利用者からの求めに応じて自動的に送信し得る状態にしたことが認め られる。 そして、本件発信者らの上記行為につき、違法性阻却事由の存在をうかが わせる事情は認められないから、本件動画に係る原告の送信可能化権が侵害 されたことは明白であるといえる。 ⑵ 被告の主張 ア 原告の主張は、本件調査に基づき作成された甲4号証、甲5号証及び甲8 号証に依拠しているところ、これらの各書証の作成者である本件調査会社は、 μtorrentの開発者ではない上、BitTorrentのネットワー クを通じてファイルをダウンロードし、アップロード可能な状態に置いたI Pアドレスの特定に関し、専門技術を有する者であるか否かも不明である。 したがって、上記各書証は、本件調査の信用性を裏付けるものであるとはい えない。 また、本件調査会社は、本件調査におけるIPアドレスの特定に際し、発 信時刻を単に「00秒」と示すのみであり、秒単位で正確であったかは不明 である。現に、意見照会の結果、当該発信時刻に自宅にいなかった旨の回答 (乙1)があることからしても、本件調査の結果取得されたIPアドレスが、 本件動画の送信可能化権を侵害したIPアドレスではない可能性が高い。 さらに、市販のソフトウェアを用いてIPアドレスを変更することは可能 であることからすれば、BitTorrentにおいて、IPアドレス等に 関して暗号化や偽装の介入する余地がないとはいえないため、本件
主文(判決文より)
1 被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。 2 訴訟費用は被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。