損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成30(ワ)24351
判決日2023-03-17
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及びこれに関する当事者の主張
⑴ 被告東京都(留置担当官)の行為の国賠法上の違法の有無
(原告の主張)
ア 戒具使用要件を満たさないこと
留置担当官は、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(以下
「法」という。)213条1項各号のいずれかの行為をするおそれがある
場合でなければ、捕縄又は手錠を使用することはできないところ、Aにつ
いては、法213条1項各号のいずれの要件にも該当していなかった。
すなわち、Aは、保護室に収容されている以上、逃走すること(同1号)
は不可能である。また、保護室は、「自身を傷つけるおそれがあるとき」
(法214条1項1号)、「他人に危害を加えるおそれがあるとき」(同項
2号ロ)に当たる場合に、これらの行為を防止するために収容する部屋で
あって、Aが保護室に収容された時点で、「自身を傷つけ、又は他人に危
害を加える」おそれ(法213条1項2号)は除去され、存在しない。さら
に、Aは、逮捕時から死亡に至るまで一度も自傷行為に及んだことはなく、
保護室収容後に自傷行為に及ぶ可能性を推認させる合理的根拠も認められ
ない。以上のとおり、留置担当官は、法213条1項各号の要件がないに
もかかわらず、漫然と戒具を使用しており、同項に違反する。
イ 戒具使用時に血液循環を妨げないよう注意する義務の違反(以下「血液
循環阻害防止義務違反」という。)
刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則(以下「規則」という。)37
条2項は、被収容者に捕縄を使用する際に血液の循環を著しく妨げること
とならないよう留意すべきことを定め、刑務官の職務執行に関する訓令(以
下「訓令」という。)27条1号は、必要以上に緊度を強くして、使用部位
を傷つけたり、血液の循環を著しく妨げる等の方法で使用しないことを定
めている。そして、留置施設の被留置者は、刑事施設の被収容者と身体拘
束を受けている点で共通しており、それらの者の身体的・精神的安全を保
障するための規律について別異に解する理由はないから、被留置者にも上
記条項は類推適用又は準用されるべきである。警視庁の留置業務執務資料
にも同様の定めがある。
しかるに、本件の留置担当官は、保護室入室後の戒具使用の際、必要以
上に緊度を強くして、使用部位を傷つけ、血液の循環を著しく妨げていた。
さらに、保護室収容中、Aは、戒具による痛みから逃れようと、床を這い
ずり回るのみで、自傷他傷を意図した行動はとっていなかったにもかかわ
らず、留置担当官は、Aの戒具が緩んでいるとして4回にわたって締め直
しており、この間も、必要以上に緊度を強くして、使用部位を傷つけ、血
液の循環を著しく妨げた。そして、拘束時間は午前6時52分から午前1
1時までの4時間8分と長時間にわたっている。
以上からすると、仮に保護室入室時点においてAに対

主文(判決文より)

1 被告東京都は、原告に対し、100万3000円及びこれに対する
平成29年3月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を
支払え。
2 原告の被告東京都に対するその余の請求及び被告国に対する請求
をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は、原告に生じた費用の120分の1と被告東京都に生じ
た費用の60分の1を被告東京都の負担とし、原告及び被告東京都に
生じたその余の費用並びに被告国に生じた費用を原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。