発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和4(ワ)22329
判決日2023-03-23
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文プロバイダ責任制限法2条3号
当事者原告 株式会社MBM/被告 ソフトバンク株式会社

この事件の代理人

  • 杉山央(原告代理人)/札幌弁護士会
  • 金子和弘(被告代理人)/東京弁護士会

争点(判決文より)

本件の争点は、権利侵害の明白性であり、具体的には、本件調査の信用性であ
る(第1回口頭弁論調書参照)。
(原告の主張)
1 本件調査会社は、BitTorrentを利用した違法ダウンロード及びアッ
プロードの特定に際しては、μtorrentというクライアントソフトを利用
しているが、同ソフトは、BitTorrentを利用しやすくするために開発
されたソフトウェアであり、BitTorrentを利用して特定のファイルの
ダウンロードを行っているピアのIPアドレスを機械的に取得して表示するも
のであるから、そこに恣意が入る余地はない。
そして、本件調査会社は、本件調査において、μtorrentを利用して、
本件発信者が、別紙発信者情報目録記載の日時頃、同目録記載のIPアドレスの
割当てを受けて、BitTorrentのネットワークに参加し、本件動画に係
るファイルのダウンロード及びアップロードを行っていることを確認している。
2 以上によれば、本件発信者が、別紙発信者情報目録記載の日時頃、被告の提供
するインターネット接続サービスを利用し、同目録記載のIPアドレスの割当て
を受けてインターネットに接続し、BitTorrentを用いて、本件ファイ
ルを、不特定多数の他のBitTorrentの利用者からの求めに応じて自動
的に送信し得る状態にしたことが認められる。
そして、本件発信者の上記行為につき、違法性阻却事由の存在をうかがわせる
事情は認められないから、本件動画に係る原告の送信可能化権が侵害されたこと
は明白であるといえる。
(被告の主張)
1 原告は、本件ファイルをダウンロードしているユーザーのIPアドレスが甲1
に表示されていると主張するが、実際に接続された端末のIPアドレスと、甲1
に表示されるIPアドレスが一致することを確認する試験を行っていないから、
甲1に表示されたIPアドレスが、本件発信者のものであるとは認められない。
また、甲1によっても、本件調査会社と本件発信者が直接接続していることは
確認できない上、甲1によれば、当該調査時刻において、本件発信者に係る「下
り速度」及び「上り速度」の表示がないことが認められるから、当該調査時刻に
おいて、本件発信者はダウンロード又はアップロードを停止していたといえる。
すなわち、本件発信者は、当該調査時刻(別紙発信者情報目録記載の日時)にお
いては、本件ファイルを公衆送信していなかったといえる。
さらに、甲1によれば、本件発信者のファイル保有率はわずか5.8%にすぎ
ず、このような低い保有率でアップロードができることを認めるに足りる証拠は
ない上、フラグも「IXP」、すなわち着信接続中であってアップロード中では
ないから、本件発信者が本件動画を送信可能であったとは認められない。
2 そもそも、P2P型ファイル交換

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。