特許分割出願却下処分取消請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和4(行ウ)382
判決日2023-03-23
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
当事者原告 株式会社花雲

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張
本件却下処分の違法性の有無
(原告の主張)
(1) 取消事由 1
本件理由通知書には、却下の理由として、法 44 条 1 項の定める分割出願
について、特許査定謄本の送達の日から 30 日以内であっても、もとの特許
出願につき特許権の設定登録がされた後はすることができない旨の記載があ
るが、その旨定めた規定は存在しない。これは被告(処分行政庁)による法
解釈にすぎないところ、発明の保護をその目的とする法の解釈にあたり、発
明の保護を制限する方向の解釈については、厳格にその根拠が吟味されなけ
ればならない。これを踏まえて解釈すると、まず、「特許出願人は」(同項
柱書き)とは、分割出願を行い得るのは親出願の出願人に限られ、第三者が
行うことはできないという主体的要件を定めているものと解される。また、
「二以上の発明を包含する特許出願の一部を」(同項柱書き)についても、
分割出願は親出願に包含されている内容がされなければならないとする客体
的要件を定めているものと解される。このため、これらの文言をもって直ち
に、特許権の設定登録がされた後は出願することができないという解釈が導
き出されるわけではない。法 46 条の 2 第 1 項が、実用新案登録出願が実用
新案登録により終了した後に特許出願という形で再係属する制度を設けてい
るように、登録後に出願が再係属すること自体、取り立てて奇異な状況では
ないことをも踏まえると、被告による上記法解釈は十分な合理性を備えてい
ない。
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したがって、本件却下処分は違法である。
(2) 取消事由 2
仮に、特許査定謄本送達から 30 日以内であっても特許権の設定登録後は
分割出願できないと解されるとしても、以下のとおり、なお本件却下処分は
違法である。
すなわち、特許出願人は、特許証を受領するまでは特許権が設定登録され
た事実を知ることができないところ、上記解釈によれば、その間は特許権を
享受できず、分割出願をすることができる時期の制限という不利益のみを受
けることになり、不合理である。このため、少なくとも特許出願人との関係
では、特許権の効果が発生するのは特許証を受領した日と解すべきである。
また、特許権の設定登録後は分割出願をすることができないとする取扱い
により、特許証を送付する行為がそのような権利制限の処分を通知する行為
となっていることを踏まえると、特許権の設定登録により分割出願が不可と
なる部分は「特許出願人を相手方とする行政処分」に相当する。特許庁内部
で成立した特許出願人を相手方とする行政処分が効力を生じるには特許出願
人に告知することが必要であることに鑑みると、分割出願不可化の効力発生
時期は特許証の受領日でなければならない。すなわち、特許査定後 30 日以
内であって

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。