損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和2(ワ)22748
判決日2023-03-29
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文プロバイダ責任制限法3条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
⑴ 本件各記述の違法性(名誉毀損の成否)
各当事者の主張は、別紙「本件各記述の違法性に係る主張整理表」記載の
とおりである。
⑵ 本件各記述に係る被告東京スポーツの責任
(原告の主張)
上記⑴のとおり、本件各記述は、原告の名誉を毀損するものであるから、
本件各記述を含む本件記事を公表した被告東京スポーツは、不法行為責任を
負う。
(被告東京スポーツの主張)
上記⑴のとおり、本件各記述は、原告に対する名誉毀損に該当しない。仮
に名誉棄損に該当するとしても、被告東京スポーツは、複数の関係者に対し
て取材活動を行い、裏付けの資料を精査することによって、真実であること
を確認した上で本件記事を掲載しており、本件各記述の内容が真実であると
信じたことに相当な理由があった。また、本件各記述は、公共の利害に関す
る事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったのであるから、
被告東京スポーツには故意又は過失がない。
⑶ 本件各記述に係る被告ヤフーの責任の有無
(原告の主張)
ア 被告ヤフーは、自己が管理するヤフーニュースにおいて、原告の名誉を
毀損する本件記事を配信して、本件記事の内容を自ら表現したのであり、
上記⑴のとおり本件各記述が違法である以上、当然に不法行為責任を負う。
仮に、本件記事の配信が、被告ヤフーによる表現行為ということはでき
ないとしても、被告ヤフーは、本件記事を配信して被告東京スポーツによ
る名誉毀損を幇助又は助長したということができるから、被告東京スポー
ツとともに共同不法行為の責任を負うべきである。
イ なお、本件記事の配信には、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の
制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」
という。)3条1項本文は適用されない。その理由は次のとおりである。
プロバイダ責任制限法3条1項は、「特定電気通信による情報の流通
により他人の権利が侵害されたとき」に適用されるものであるが、ここ
にいう「特定電気通信」は、不特定の者が情報を発信することができる
状況にあることを要する。ヤフーニュースの配信は、記事配信を行うこ
とができる者が限定されているから「特定電気通信」に当たらない。
プロバイダ責任制限法3条1項ただし書は、当該関係役務提供者が当
該権利を侵害した情報の「発信者」である場合は、同項本文の適用を除
外しているところ、ここにいう「発信者」に該当するかどうかは、権利
侵害情報を流通過程に置く意思を有していた者が誰かという実質的な
観点から決すべきである。

主文(判決文より)

1 被告東京スポーツは、原告に対し、165万円及びこれに対する令和2年7
月13日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを3分し、その1を被告東京スポーツの負担とし、その余を
原告の負担とする。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。