事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成27(行コ)4等 |
| 判決日 | 2015-10-15 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項、憲法13条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び当事者の主張は,当審における当事者の主張を後記3に 付加するほかは,原判決「事実及び理由」中の第2の1ないし3(原判決2頁 25行目から46頁23行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用す る。 3 当審における当事者の主張 (1) 本件職務命令の適法性について (控訴人の主張) ア 憲法13条違反について (ア) そもそも憲法13条は,あらゆる生活領域に関する行為の自由(一般 的行為の自由)を保障するものではなく,個人の人格的生存に不可欠な 利益を内容とする権利の総体(人格的利益)を保護するものであるから, - 2 - 同条において保護される情報プライバシー権は,個人の道徳的自律と存 在に関わる情報,すなわち,人の精神的過程や内部的な身体状況等に関 わる高度にコンフィデンシャルな性質の情報(プライバシー固有情報) とされる。 この点,本件入れ墨情報は,個人の人格的生存に不可欠な利益を内容 とする権利ではなく,本件において違憲の問題を生ずる余地はない。 (イ) 仮に本件入れ墨情報に憲法上の保障が及ぶとしても,公共の福祉によ る制約は受けるところ,当該情報の内容及び性質に照らせば,本件職務 命令の適法性は,本件調査の目的の正当性,調査の必要性及び手段の相 当性等を総合考慮して判断すべきものである。 (ウ) 被控訴人は,少なくとも本件調査対象部位には入れ墨はないから,本 件調査及び本件職務命令によって,控訴人が被控訴人から取得する可能 性があるのは,「市民の目に触れる可能性のある部分に入れ墨がない」 との被控訴人情報に限られる。当該情報から,被控訴人の経歴,思想等 を推認することは不可能であるし,また,入れ墨がないことに対して抵 抗感や嫌悪感を示す者は通常いないから,当該情報を強制的に取得され ても,同人の名誉や信用に関わるプライバシー侵害が生じる可能性はな い。したがって,当該情報の開示を強制されない自由が憲法13条によ って保護される余地はない。 (エ) 仮に,本件入れ墨情報のうち「入れ墨をしているとの情報」を基準に 検討しても,結論は変わらない。 すなわち,「入れ墨をしているとの情報」が有する次の性質に鑑みれ ば,一般的行為の自由を超えて,憲法上の権利として保護すべき秘匿性 ・機微性を有するとも,個人の人格的価値に深く関わる事項であるとも いえないし,万一憲法の保障が及ぶとしても,厳格な違憲審査を要すべ き情報ではない。 - 3 - ○ 入れ墨は生来的・不可避的なものではなく,身体の装飾として自ら の意思で施すものであり,一般に秘匿性が高いものでもなく,また, 消去も可能であって,思想,信条,宗教といった情報とは,その人格 的価値において本質的かつ決定的に異なるものである。 ○ 入れ墨は,趣味,嗜好又は身だしなみに関する事項に係る情報にす ぎ
主文(判決文より)
1 本件控訴に基づき,原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。 2 前項の取消部分に係る被控訴人の請求を棄却する。 3 本件附帯控訴を棄却する。 4 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。