市長に対する不信任決議の取消請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和4(行ウ)398
判決日2023-05-26
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
⑴ 訴えの利益の有無(本案前の争点)
⑵ 本件不信任議決の適法性
3 争点に関する当事者の主張
⑴ 争点⑴について(訴えの利益の有無)
(原告の主張)
本件市長選挙における当選の効力は、公職選挙法の定めからして、もはやこ
れを争い得ないとしても、原告にとっては、本件不信任議決を取り消す旨の判
決を得ることにより、原告が失職した日からA市長の地位を回復することがで
きなくなった時までの間における報酬を請求し得ることとなるから、原告が本
件不信任議決の取消しを求める訴えの利益は、なお認められるというべきであ
る(最高裁昭和37年(オ)第515号同40年4月28日大法廷判決・民集
19巻3号721頁参照)。
(被告の主張)
本件訴訟についての訴えの利益は、本件不信任議決を取り消すことによって、
原告のA市長としての地位を回復することにあるものと解される。しかし、本
件不信任議決の後、本件市長選挙が適法に行われ、既に新市長の当選が確定し
ている。そして、選挙管理委員会の管理の下に、公職選挙法に基づく選挙が行
われた以上、その選挙又は当選の効力に関する争訟は、同法202条以下に規
定する所定の手続をもってのみ行うべきであるから(最高裁昭和32年(オ)
第509号同年8月8日第一小法廷判決・民集11巻8号1446頁参照)、
本件不信任議決を取り消すことで新市長の地位を失わせ、原告のA市長として
の地位を回復することはできない。
したがって、既に本件市長選挙及び本件市長選挙における当選の効力を争い
得なくなった現時点において、本件不信任議決のみを取り消すことを求める本
件訴えは訴えの利益を欠き、不適法である(最高裁昭和31年(オ)第557
号同年10月23日第三小法廷判決・民集10巻10号1312頁参照)。
⑵ 争点⑵について(本件不信任議決の適法性)
(被告の主張)
ア 法令上、地方自治法178条所定の不信任の議決(以下、単に「不信任の
議決」という。)を行うことができる場合に限定はなく、理由の如何を問わ
ず、同条所定の手続によって行われれば適法な不信任の議決となるから、本
件不信任議決は適法である。
イ 原告は、本件不信任議決の取消事由として、「A市議会の議決すべき事件
に関する条例」(以下「本件条例」という。)の無効を主張するが、前記アに
よれば、かかる主張は、その当否を検討するまでもなく、失当である。
この点をおくとしても、本件不信任議決は、原告が本件条例に従わなかっ
たことを理由とするものではなく、原告の議会軽視の姿勢を問題とするもの
であるし、また、本件条例についても、地方自治法96条1項に規定された
各事項と矛盾抵触する内容のものではないから、原告の主張には理由がない。
(原告の主張)
ア 原告は、C中学西側の市有地に介護老人福祉施設の誘致を決め、同市

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。