事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成27(ネ)2384 |
| 判決日 | 2016-01-27 |
| 分類 | 知的財産 / 意匠 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 意匠法37条1項 |
| 当事者 | 控訴人 協和ハーモネット株式会社/被控訴人 フルテック株式会社 |
この事件の代理人
- 拾井美香(控訴人代理人)/京都弁護士会
争点(判決文より)
争点及び争点に関する当事者の主張は, 当審における当事者の主張を後記3に付加するほかは,原判決「事実及び理由」 中の第3ないし第5(原判決2頁17行目から14頁2行目まで)に記載のと おりであるから,これを引用する。 3 当審における当事者の主張 (控訴人) (1) 本件意匠の構成について 炭素繊維により模様が描かれていることは本件意匠の構成に含まれる。 ア 意匠登録出願の願書に物品の材質を記載するのは,願書に添付した図面 によっては,その意匠の属する分野における通常の知識を有する者がその - 2 - 意匠に係る物品の材質等を理解できない場合であり,一般需要者の理解が 基準になるのではない。 イ 炭素繊維は様々な分野で用いられており,オーディオの分野でもこれを 用いた製品が種々販売されている。したがって,通常の当業者であれば, 願書に添付された写真に表れた本件意匠の模様,質感,光沢感等により, イヤホン胴部の材質が炭素繊維であることを理解し得る。 (2) 本件意匠の要部について 本件意匠の要部は,円柱形状のイヤホン胴部に炭素繊維により矩形区画を 隣接して繰り返し描くことにより模様を形成したことである。 ア 意匠の個々の基本的形状が公知ないし周知であっても,当然にそれが要 部であることが否定されるわけではなく,各基本的形状の組み合わせに斬 新性が認められる場合,その組み合わせが意匠の要部となる。 イ 本件意匠の基本的構成態様は,円柱形状のイヤホン胴部に,炭素繊維に より矩形区画を隣接して繰り返し描くことにより模様を形成したことであ る。本件意匠登録出願前にこれら全部を有する製品は見当たらず,これら の組み合わせに新規性が認められるのであって,それが看者の注意を引く 本件意匠の要部である。 ウ 本件意匠は,物品自体が小さく,炭素繊維の光沢感により模様の細部を 観察しにくく,細部に注目して観察しなければ,矩形区画の形状,個数及 び構成まで把握できない。したがって,このような一見して把握できない 模様の細部が要部となることはない。 (3) 本件意匠と被控訴人製品の意匠(以下「被控訴人意匠」という。)との類 否について 本件意匠と被控訴人意匠との相違点は,看者に別異の美的印象をもたらす ものではない。 ア イヤホンの購入に当たっては,需要者は,大づかみに観察した場合のイ - 3 - ヤホン全体のイメージによって意匠を把握するというべきである。 需要者が意匠に係る物品をどのように観察するかは,当該物品の用途, 機能,使用形態等を考慮して定めるべきである。イヤホンは,物品の機能 及び性質上意匠を施す部分が小さく,一見して形状及び模様の細部を観察 しにくいこと,通常の使用形態である耳の穴に装着した状態では装着者本 人だけでなく外部からも模様,形状等を観察できないこと,デザイ
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴人の当審における拡張請求を棄却する。 3 控訴費用は,控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。