発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和4(ワ)18916
判決日2023-06-12
分類民事 / 著作
判決種別判決
当事者原告 株式会社ホットエンターテイメント/被告 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社

この事件の代理人

  • 杉山央(原告代理人)/札幌弁護士会
  • 松田 真(被告代理人)/第二東京弁護士会

争点(判決文より)

争点
(1) 本件動画に係る原告の著作権の有無(争点 1)
(2) 権利侵害の明白性(争点 2)
(3) 発信者情報の開示を受けるべき正当な理由の有無(争点 3)
3 争点に対する当事者の主張
(1) 争点 1(本件動画に係る原告の著作権の有無)
〔原告の主張〕
原告は本件動画の著作権を有している。このことは、本件動画のパッケージに第
三者認証機関によって割り当てられた会員番号等が明記されていることからも、把
握し得る。
〔被告の主張〕
不知。
(2) 争点 2(権利侵害の明白性)
〔原告の主張〕
本件調査会社は、調査対象となる本件動画をインデックスサイトで検索して、ト
レントファイルをダウンロードし、本件クライアントソフトを起動して、実際に動
画に係るファイルのダウンロードを行った。ダウンロードされた動画は本件動画と
同一内容であった。また、本件クライアントソフトは、ビットトレントを使用して
いるピアの情報を表示する機能を有している。これによると、上記のダウンロード
に対応するアップロードを行ったピアが接続した IP アドレスは、別紙発信者情報
目録記載のとおりであった。
これにより、本件発信者は、ビットトレントを用いて、本件動画を複製したファ
イルを単にダウンロードしただけでなく、不特定多数のビットトレントの利用者か
らの求めに応じ自動的に送信し得る状態にしたといえる。
さらに、当該行為について、原告による許諾その他の違法性阻却事由の存在をう
かがわせる事情は認められない。
したがって、本件発信者の上記行為による情報の流通によって、原告の本件動画
の著作権(公衆送信権)が侵害されたことは明らかである。
〔被告の主張〕
不知ないし争う。「特定電気通信」(法 2 条 1 号)とは、不特定の者によって受信
されることを目的とする電気通信の「送信」をいう。ビットトレントの仕様に照ら
せば、本件動画が送信可能化されたのは、ファイルのアップロードに先立って、こ
れがダウンロードされたからにほかならない。送信可能化権はダウンロードの時点
で侵害されたといえるところ、ダウンロードは「受信」であって「送信」ではない
から、「特定電気通信」に当たらない。このように、原告の送信可能化権が仮に侵害
されたとしても、それは「特定電気通信による情報の流通」によるものではないか
ら、法 5 条 1 項の要件を充たさない。
(3) 争点 3(発信者情報の開示を受けるべき正当な理由の有無)
〔原告の主張〕
原告は、本件発信者に対し、権利侵害を理由として、不法行為に基づく損害賠償
請求等の準備をしている。したがって、原告には、本件発信者情報の開示を受ける
べき正当な理由がある。
〔被告の主張〕
争う。
第 3 当裁判所の判断
1 争点 1(本件動画に係る原告の著作権の有無)
証拠(甲 2 

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。