発信者情報開示命令申立却下決定に対する異議事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和5(ワ)70144
判決日2023-07-06
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法2条1項1号、著作権法19条3項、著作権法32条1項
当事者被告 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

本件の争点
本件の争点は、①権利侵害の明白性、②侵害関連通信該当性、③開示を受け
るべき正当な理由の有無である。
⑵ 当事者の主張
ア 権利侵害の明白性
(原告の主張)
原告は、本件記事の投稿に先立つ別紙著作物目録記載の発表日時に、同目
録記載の写真(以下「本件写真」という。)を、自ら開設するツイッターア
カウントに投稿する方法で公表した。本件写真は、原告が申し立てた発信者
情報開示仮処分に係る申立書類一式を撮影したものであり、原告に対し誹謗
中傷をする者に対し容赦せず、法的措置も辞さないとする意思など、原告の
思想や感情を創作的に表現した著作物である。
したがって、発信者がツイッターにおいて本件写真を原告の氏名を記載せ
ず投稿したことにより、原告の著作権(公衆送信権及び送信可能化権)及び
著作者人格権(氏名表示権)が侵害された。
また、発信者は、本件写真と共に「申し立てをしたというなら、受付印を
受けた控えの画像が出てくるのかと思ったのだが。」と投稿することによっ
て、原告が発信者情報開示仮処分命令申立てを行っていないのに、これを行
ったとの虚偽の投稿をする人物であるという事実を摘示しており、これによ
り原告の名誉権が侵害された。
(被告の主張)
本件写真は発信者情報開示仮処分命令申立書をiPhoneで撮影しただけの
ありふれたものであり、著作物には当たらない。また、発信者による本件投
稿は、公正な慣行にも合致し、原告による投稿を批評するという目的のため
に正当な範囲内で行われたものであるから、著作権法32条1項の引用とし
て適法である。さらに、本件投稿については、前記目的等に照らせば、著作
権者が創作者であることを主張する利益を害するおそれはなく、公正な慣行
にも合致しているから、著作権法19条3項により著作者名の表示を省略す
ることができる。
また,名誉権侵害の主張については争う。
イ 侵害関連通信該当性
(原告の主張)
権利の侵害に係る投稿に用いられたアカウントのログインに係る通信は、
アカウント所持者が変更されたと認められる特段の事情のない限り、全て特
定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関す
る法律施行規則5条1項柱書の「侵害情報の通信と相当の関連性を有するも
の」と解される。したがって、少なくとも本件記事の投稿に用いられたアカ
ウントにログインするために行った識別符号その他の符号の電気通信によ
る送信であって、投稿日時に近接する別紙ログイン日時目録記載の日時頃の
ログインに係るものは、いずれも同規則5条1項1号に該当し、本件投稿の
侵害関連通信に該当する。
(被告の主張)
同規則5条1項柱書の「侵害情報の送信と相当の関連性を有するもの」に
該当する通信は、侵害情報の送信一つにつき一つであり、侵害情報の送信と
最も時間的

主文(判決文より)

1 東京地方裁判所令和4年(発チ)第10006号発信者情報開示命令
申立事件について、同裁判所が令和5年2月28日にした決定を認可す
る。
2 訴訟費用は、原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。