事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和2(ワ)3729 |
| 判決日 | 2023-07-20 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 労働契約法20条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び争点に係る当事者の主張 ⑴ 時給制契約社員に対し寒冷地手当を支給しないことが不合理な労働条件の 相違に当たるか。 5 (原告の主張) 以下の事実によれば、正社員に寒冷地手当を支給する一方、時給制契約社 員である原告に対し寒冷地手当を支給しないという労働条件の相違は、不合 理と認められるものであり、労働契約法20条に違反する。 ア 職務の内容 10 正社員のうち一般職(以下「新一般職」という。)は、郵便業務を担当し ているところ、時給制契約社員である原告もこれと同一の業務を担当し、 同一の責任を負っている。このことは、先行最高裁3判決でも認定された ところである。時給制契約社員の採用が比較的簡易な手続でされること、 人事評価が担当職務に限定されることは、何ら重視すべき事情ではない。 15 イ 職務の内容・配置の変更の範囲 新一般職は、役職層への登用、昇任・昇格がなく、勤務地も原則として 転居を伴う転勤がない範囲とされている。新一般職では、異動そのものが 少なく例外的といえる。時給制契約社員は、異動の際には新たな契約を結 び直すことになるから、異動に同意が必要とされるが、異動の打診を断れ 20 ば雇止めされかねないのであり、これに応じざるを得ないことから、実質 的には新一般職と変わりがない。 ウ 寒冷地手当の支給の趣旨は暖房用燃料費等の生計費補助であり、時給制 契約社員にも妥当すること 寒冷地手当は、支給要件及び金額の決定方法によれば、寒冷地域である 25 ことに起因して増加する暖房用燃料費等に係る生計費を補助する趣旨の手 当である。時給制契約社員についても寒冷地域に勤務したとき暖房用燃料 費等に係る生計費が発生することは正社員と同じであり、寒冷地手当を支 給する趣旨が妥当する。寒冷地手当の支給要件及び金額決定の方法からは、 被告が主張するような、正社員間の公平を図る目的や、定年までの継続的 な貢献に報いる目的などがあるとは認め難い。 5 エ 地域別最低賃金では暖房用燃料費等の生計費の考慮が不十分であること 時給制契約社員の基本賃金は、地域別最低賃金を基準として決められて いるが、地域別最低賃金において暖房用燃料費等の生計費増加分が組み込 まれているとはいえず、その考慮は全く不十分である。 すなわち、最低賃金法9条2項では、地域別最低賃金の決定において「地 10 域における労働者の生計費」を考慮するとされているが、これは、「地域に おける労働者の賃金」及び「通常の事業の賃金支払能力」と共に考慮要素 の一つとなっているにすぎない。 加えて、地域別最低賃金は、地方最低賃金審議会の審議及び答申を踏ま えて決定されているところ、地方最低賃金審議会は、中央最低賃金審議会 15 が、全都道府県をAからDまでの4つのランクに分け、ランク別の最低賃 金の引上げ額の目安を
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。