事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和4(ワ)70145 |
| 判決日 | 2023-08-30 |
| 分類 | 民事 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 商標法36条1項、国家賠償法1条1項、著作権法112条1項、著作権法115条 |
この事件の代理人
- 池田智洋(被告代理人)/岐阜県弁護士会
主文(判決文より)
1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事 実 第1 請求 1 被告らは、別紙原告著作物目録記載のデザインを複製し、頒布してはならない。 2 被告らは、別紙原告著作物目録記載のデザインを使用したすべてのコピー物品 を廃棄せよ。 3 被告らは、別紙商標権目録記載の商標や呼称を使用した商品の販売に関する情 報の提供、書類の複製、文書または電磁テープのファイリング、コンピュータデ ータベースへの情報編集、セミナー・検定事業の企画、書籍の制作、興行の企画・ 運営または開催、教育研修のための施設の提供、検定試験の企画・運営、検定試 験の実施を行うことを禁ずる。 4 被告らは、被告らが侵害したインターネットのホームページ上で本件著作権を 原告が所有することを公表せよ。 5 被告らは、原告に対し、347万4000円及びこれに対する本訴状送達の日 の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 6 仮執行宣言 第2 請求の趣旨に対する答弁 主文同旨 第3 当事者の主張 1 請求原因 ア 原告は、別紙原告著作物目録記載の各著作物(以下「本件各著作物」とい う。)を単独で創作し、著作権を取得した。 イ 原告は、別紙商標権目録記載の商標権(以下、同商標権に係る商標を「本 件各商標」という。)を保有している。 被告らは、関ケ原検定を実施するにあたり、令和2年12月から令和3年8 月にかけて、別紙原告著作物目録記載1の著作物については、ジャンパーにお いてそのまま使用し、別紙原告著作物目録記載2の著作物については、別紙被 告の改変部分記載1のとおりの追記をしてポスターを作成して大垣城等の公 共施設に掲載し、別紙原告著作物目録記載3の著作物については、別紙被告の 改変部分記載2のとおりの追記をして募集要項を作成して配布し、別紙原告著 作物目録記載4の著作物については、別紙被告の改変部分記載3のとおりの改 変をした上で合格証書を作成し、別紙原告著作物目録記載5の合格カードにつ いては、そのまま複製して配布し、受験生を募集するホームページにも原告の 著作物を掲載し、これらによって、原告の著作物を複製し原告の複製権を侵害 した。 また、被告らは本件各商標を前記ポスター、募集要項、合格証書及び別紙原 告著作物目録記載5のデザインの合格カードに記載して使用した。 ア 原告は、前記 の被告の行為により、次の損害を被った。 別紙原告著作物目録記載1の著作物について61万4000円(慰謝料 10万円を含む。) 別紙原告著作物目録記載2の著作物について63万6000円(慰謝料 10万円を含む。) 別紙原告著作物目録記載3の著作物について42万7000円(慰謝料 7万円を含む。) 別紙原告著作物目録記載4の著作物について26万4000円(慰謝料 4万円を含む。) 別紙原告著作物目録記載5の著作物について26万4000円(慰謝料 4万円を含む。) イ 別紙商標権目録記載1の商標について21万9000円(慰謝料4万円 を含む。) 別紙商標権目録記載2の商標について35万円(慰謝料6万円を含む。) 別紙商標権目録記載3の商標について35万円(慰謝料6万円を含む。) 別紙商標権目録記載4の商標について35万円(慰謝料6万円を含む。) 被告らは、現在も前記 に係る物品の在庫を相当数有していると推測される ため、請求の趣旨1項から3項記載のとおりの差止め及び被告らに在庫の廃棄 をさせる必要がある。また、請求の趣旨4項記載の名誉回復措置を執る必要性 もある。 よって、原告は、被告らに対して、 ア 著作権法112条1項、2項に基づき、本件著作物の複製、頒布の差止め 及び同著作物を複製した物品の廃棄(請求の趣旨1項、2項)を、商標法3 6条1項に基づき、本件商標を使用する役務の提供の差止め(請求の趣旨3 項)を請求し、 イ 著作権法115条に基づき名誉回復措置を執ることを請求し(請求の趣旨 4項) ウ 不法行為に基づき347万4000円を請求(請求の趣旨5項) する。 2 請求原因に対する認否 ア 請求原因 アは否認する。別紙原告著作物目録記載の各デザインは、関ケ 原町が企画した関ケ原検定の実施に当たって、被告bを含む関ケ原町の職員 が原告と共同でデザインしたものであり、仮に著作物性が認められても関ケ 原町と原告の共同著作物となる。 イ 請求原因 イについて、本件請求原因では、別紙商標権目録記載2、3、 4の各商標については商標登録以前の行為が問題とされており、商標権侵害 が成立する余地はない。 請求原因 について、別紙原告著作物目録記載1のデザインのスタッフジャ ンパーについては、関ケ原町が原告から購入して着用した。同目録記載2から 5のデザインについて、関ケ原検定の運営に当たり、ポスター、申込書、合格 証書、賞状、合格カードとして使用したことは認める。ただし、本件著作物創 作の経緯からしても、原告はこれらのデザインが関ケ原検定のために使用され ることを許諾していた。また、ポスター、募集要項、合格証書及び合格カード に付されている標章は、本件商標と同一ではない。 請求原因 は、否認ないし争う。 請求原因 は、否認ないし争う。関ケ原町は、原告からの申し入れを受けて、 関ケ原検定の事業を中止することとし、関ケ原検定は令和3年7月15日以降 実施されておらず、同日以後、原告著作物目録記載のデザインが付されたもの はいずれも使用していない。 争う。 3 被告の主張 被告B(以下「被告b」という。)は、岐阜県不破郡関ケ原町が運営する関 ケ原町歴史民俗学習館の館長であり、関ケ原町の公務員である。 被告C(以 下「被告c」という。)は、関ケ原町役場の地域振興課の係長を務める関ケ原 町の公務員である。被告D(以下「被告d」という。)は、関ケ原町の町長で ある。 請求原因 に記載の各行為は、関ケ原町が、関ケ原町の地域振興事業である 関ケ原検定の広報及び実施の一環として実施したものであり、公権力の行使と して行ったものである。 よって、原告が問題とする行為は、関ケ原町が公権力の行使として実施し たものであるから、被告ら個人が責任を負うことはない。 本件著作物創作の経緯からすれば、原告は、関ケ原町に対し、原告が指摘す るデザインが関ケ原検定のために使用されることを許諾していた。 4 被告の主張に対する認否 争う。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。