損害賠償(従業員等による競業行為)請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和4(ワ)70055
判決日2023-08-30
分類知的財産 / 不正競争
判決種別判決
判決文が挙げた条文不正競争防止法2条1項4号、不正競争防止法3条1項、民事訴訟法61条
当事者原告 FIRSTDEVELOP株式会社

この事件の代理人

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事 実
第1 請求の趣旨
1 被告は、別紙被告製品目録に記載された別紙 ServiceNow 技術資料記載の資料
を拡散し、使用し、譲渡し、貸し渡し、輸出し、譲渡し、または譲渡の申出をし
てはならない。
2 被告は、別紙被告製品目録に記載された別紙 ServiceNow 技術資料記載の資料
を廃棄せよ。
3 被告は、原告に対し、405万円およびこれに対する令和5年1月5日から支
払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
4 仮執行宣言
第2 請求の趣旨に対する答弁
主文同旨
第3 当事者の主張
1 請求原因
原告は、他社が開発した、ServiceNow という名称のシステム開発用の開発ツ
ールを利用してプログラムを作成している会社である。原告は、原告社員のた
めの研修資料(以下「本件研修資料」という。)を有しているところ、本件研
修資料は、短期間で ServieNow開発スキルを習熟するノウハウが凝縮されてい
るから有用であり、本件研修資料のうち、少なくとも、別紙営業秘密の特定と
請求の特定についてにおいて青色で着色した「//資産テーブルから最大10件
のデータを取得」で始まるソースコード(以下「本件ソースコード」という。)
が記載された部分及び青色で着色した2か所の「https://」で始まるURL(以
下、本件ソースコード及び同URLを併せて「本件情報」とう。)は公になっ
ておらず一般に入手することができないから非公知である。そして、本件研修
資料は、原告社内で研修のために利用するには「秘密保持誓約書」にサインす
ることが必須であり、秘密として管理されているから、本件情報は営業秘密に
当たる。
被告は、原告への入社が内定して、原告で ServiceNow を用いたシステム開
発の研修を受けた際に原告から本件情報を開示されたところ、本件情報を原告
に無断で社外に持ち出し、原告への入社の内定を辞退した後に本件情報を使用
し、譲渡し、貸し渡し、他の就職先に持ち込み、もって不正競争防止法2条1
項4号または7号の不正競争行為をした。
ア 本件情報の実施料相当額は405万円を下らない。
イ 本件情報が記載されている、別紙被告製品目録に記載された別紙
ServiceNow技術資料について、被告がこれを使用等することを差止め、廃棄
する必要性がある。
よって、原告は、被告に対し、不正競争防止法3条1項、2項に基づき、別
紙 ServiceNow 技術資料の使用等の差止め及び廃棄を、同法4条に基づき40
5万円の損害賠償及び令和5年1月5日(訴状送達日の翌日)から支払済みま
での遅延損害金を請求する。
2 請求原因に対する認否
請求原因 は、被告が「秘密保持誓約書」に署名したことは認め、その余は
否認ないし争う。本件では、本件情報が研修資料に記載されていたことすら立
証されておらず、仮にそれが記載されていたとしても、本件情報について原告
の秘密管理意思が明示されていた事情もないから、秘密管理性は認められない。
本件情報のうち、本件ソースコード中の各「//」以下に記載されたコメント部
分を除いた部分は、インターネット上で公開されている情報であり、かつ、こ
れらの情報が記載されているウェブページは検索エンジンにキーワードを打
ち込めば容易に到達可能なウェブページであるから、非公知性を欠く。
請求原因 は、被告が原告入社前に任意に原告の事前研修を受けたことは認
め、その余は否認ないし争う。被告が、研修資料を持ち出したことはない。
請求原因 、 は否認ないし争う。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。