発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和4(ワ)20707
判決日2023-08-30
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文プロバイダ責任制限法2条3項、著作権法14条
当事者原告 株式会社ホットエンターテイメント/被告 ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社

この事件の代理人

  • 杉山央(原告代理人)/札幌弁護士会
  • 浦中裕孝(被告代理人)/第一東京弁護士会

争点(判決文より)

本件の争点は、以下の各点である。
情報の流通によって原告の権利が侵害されたことが明らかであるといえる
か否か(争点1)
本件各発信者情報が情報の流通による原告の権利の侵害に係る発信者情報
に当たるか否か(争点2)
原告に発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるか否か(争点3)
3 争点に対する当事者の主張
情報の流通によって原告の権利が侵害されたことが明らかであるといえる
か否か(争点1)について
(原告の主張)
ア ビットトレントの仕組みによれば、ビットトレントのクライアントソフト
ウェアがダウンロードされている端末がインターネットに接続され、当該端
末が他の利用者からファイルのデータを受信している間は、同時に、公衆で
ある他の利用者からの求めに応じて当該端末は自動的に他の利用者の端末
へファイルのデータを送信している。そして、本件発信者は、ビットトレン
トを利用して他のビットトレントの利用者と本件動画を送受信しており、こ
のことで、本件動画は送信可能化状態にされ、かつ、自動公衆送信されてい
るから、本件発信者は、原告の公衆送信権又は送信可能化権を侵害している
ことは明らかである。また、本件発信者は、少なくともビットトレントを利
用して原告の著作物を違法に複製して自己のパソコン等にダウンロードし
たものであるから、複製権を侵害していることも明らかである。
イ 被告は、原告が著作者であるとはいえない旨主張するが、本件動画が収納
されているDVDの外装(ジャケット)には、原告の第三者認証機関によっ
て割り当てられた会員番号が明記されているところ、当該会員番号は著作権
者の保護等を目的としてされたものであり、実名に代えて用いられるものと
して周知のものといえるから、著作権法14条により原告が著作権者である
といえる。
また、被告は、本件調査の際、本件ソフト上に表示された本件調査結果中
の「上り速度」欄又は「下り速度」欄に表示がないピアが存在することをも
って、本件調査会社が本件動画をダウンロードされているか不明であり、ピ
アが送信可能化状態であったか不明である旨主張するが、本件調査結果中の
ピアにかかる表示がされない場合であっても、本件調査会社の本件動画の保
有率の数字は上昇しており、本件調査会社がダウンロードできており、当該
ピアはダウンロードが可能な状態であったことは明らかである。
さらに、被告は、本件発信者がビットトレントの仕組みを理解しないまま
使用している可能性があり、著作権侵害について故意又は過失があるとはい
えない旨主張する。しかしながら、ビットトレントの利用者は、ビットトレ
ントのファイルを分割した部分を利用者間で共有し、インターネットを通じ
てこれを相互にアップロード可能な状態に置くことにより、ネットワークを
通じて十分かつ継続的に完全なフ

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。