事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和3(ワ)11323
判決日2023-10-20
分類知的財産 / 不正競争
判決種別判決
判決文が挙げた条文会社法21条1項
当事者原告 株式会社荒川肉店/被告 有限会社荒川商店

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 被告は本件事業と同一の事業を行っているか(争点1)
(2) 会社法21条1項所定の別段の意思表示があるか(争点2)
(3) 原告の請求が信義則に反する又は権利の濫用に当たるか(争点3)
(4) 差止めの必要性(争点4)
4 当事者の主張
(1) 争点1(被告は本件事業と同一の事業を行っているか)について
(原告の主張)
ア 本件事業の意義
本件事業は、現実の店舗において精肉及び惣菜を販売する事業である。
イ 被告が行う事業の内容
被告は、(省略)において、一頭買いした和牛を用途・部位に分けて販売
しているところ、これは、精肉販売の手法として一般的に行われているも
のである。また、精肉とは、加熱される前の調理用の食肉をいうから、被
告の販売している牛肉が冷凍されているものであるとしても、精肉である
ことに変わりはない。
さらに、被告は、(省略)において、コロッケ等の惣菜を販売している。
ウ 被告は本件事業と同一の事業を行っていること
前記イのとおり、被告は、(省略)において、牛の精肉を販売している以
上、この点において、本件事業と同一の事業を行っていることは明らかで
ある。また、惣菜販売の点についても、被告は、本件事業と共通するコロ
ッケ等の商品を販売している以上、本件事業と同一の事業を行っていると
いうべきである。
エ 被告の主張について
被告は、事業譲渡の対象となった本件事業は、販売方法が客の注文に応
じた一対一の対面販売であるものに限られるから、被告が競業避止義務を
負う事業もその限度にとどまると主張する。
しかし、会社法21条1項の趣旨は、譲渡会社が譲渡した事業を事業譲
渡後に行うと、譲受会社において譲り受けた事業から利益を得ることが妨
げられ、事業譲渡という制度が設けられた意味が失われてしまうため、こ
れを防ぐことにある。そして、譲渡会社が、譲渡した事業と販売する商品
の品目及び販路の点で一致する事業を営めば、具体的な販売方法が異なっ
ていても、譲受会社は譲り受けた事業から利益を得ることが妨げられるこ
とになる。

主文(判決文より)

1 被告は、令和18年10月31日までの間、甲市及び乙市において、精肉及び
惣菜の販売を目的とする事業を営んではならない。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
3 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。