発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和4(ワ)25488
判決日2023-10-26
分類民事 / 著作
判決種別判決
当事者原告 有限会社プレステージ/被告 ソフトバンク株式会社

この事件の代理人

  • 戸田泉(原告代理人)/第一東京弁護士会
  • 金子和弘(被告代理人)/東京弁護士会

争点(判決文より)

争点
(1) 権利侵害の明白性(争点 1)
(2) 本件発信者情報の「当該権利の侵害に係る発信者情報」(法 5 条 1 項)該当
性(争点 2)
3 争点に関する当事者の主張
(1) 権利侵害の明白性(争点 1)
〔原告の主張〕
本件調査においてハンドシェイクがされたということは、本件発信者が、ビット
トレントを介し他のユーザーからの要求に応じて本件映像作品に係るファイル(ピ
ース)を送信可能な状態にしていたことを示す。また、本件発信者は、ビットトレ
ントのネットワークにそれぞれ接続した上、本件映像作品のデータをダウンロード
して自己の端末内に複製している。
したがって、原告の本件映像作品に係る著作権(複製権、公衆送信権(送信可能
化権))が侵害されたことは明らかである。
〔被告の主張〕
ハンドシェイクの時点では、本件発信者はビットトレントのネットワークに接続
している他の端末から本件映像作品のピースをダウンロードしておらず、本件検出
システムからもダウンロードしていない。
また、本件調査によっても、本件発信者のファイル保持率は明らかではなく、本
件発信者が実際にファイルをアップロードしたことが確認されたわけでもない。
したがって、本件発信者が本件映像作品に係るファイルを現実に複製し、送信可
能化していたことが明らかとはいえない。
(2) 本件発信者情報の「当該権利の侵害に係る発信者情報」(法 5 条 1 項)該当
性(争点 2)
〔原告の主張〕
本件発信者情報は、ハンドシェイクの通信に係るものであるが、ハンドシェイク
は、送信可能化権を侵害し、その状態が継続していることを通知するものであるか
ら、本件発信者情報は「当該権利の侵害に係る発信者情報」に該当する。
〔被告の主張〕
法 5 条 1 項は、送信された侵害情報の流通によって自己の権利を侵害された者に
限定して発信者情報開示請求権の発生を認めているのであって、単なる送信の可能
化や流通の可能性で足りるものではない。本件調査会社は本件映像作品に係るファ
イルをダウンロードしておらず、本件発信者情報はハンドシェイクの通信に係るも
のに過ぎない。本件において、侵害情報の送信による流通は生じておらず、原告は
これによって権利を侵害されたものではない。ハンドシェイクの通信に係る本件発
信者情報は、「当該権利の侵害に係る発信者情報」に該当しない。
第 3 当裁判所の判断
1 争点 1(権利侵害の明白性)について
(1) 前提事実(3)(4)によれば、本件発信者は、被告から別紙 2 発信端末目録記載
の各 IP アドレスの割当を受けてインターネットに接続された状態の下、同別紙記
載の発信時刻に、ビットトレントを通じてアクセスしてきた不特定の者に対し、本
件映像作品に係るファイル(ピース)をアップロード可能な状態にある

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。