発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和5(ワ)70385
判決日2023-12-25
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文プロバイダ責任制限法2条3号、著作権法23条
当事者原告 株式会社バソキア/被告 ビッグローブ株式会社

この事件の代理人

  • 杉山央(原告代理人)/札幌弁護士会
  • 髙橋利昌(被告代理人)/東京弁護士会

争点(判決文より)

本件の争点は、権利侵害の明白性(公衆送信権侵害の成否及び調査の信用性)
であり、これらの点に関する当事者の主張は、以下のとおりである。
(原告の主張)
1 BitTorrentのクライアントソフトウェアがインストールされた
端末が、インターネットに接続されて他の利用者からファイルを受信している
間は、同時に公衆たる他の利用者からの求めに応じて自動的にファイルが送信
される。そのため、BitTorrentを利用して他の利用者からファイル
を受信することで、必然的に自動公衆送信が生じることになる。
そもそもBitTorrentは、特定のファイルをピースに細分化し、こ
れをBitTorrentネットワーク上の利用者間で相互に共有及び授受
することを通じ、分割された全てのファイル(ピース)をダウンロードし、完
全なファイルに復元して、当該ファイルを取得することを可能にする仕組みで
ある。そして、本件調査会社は、μTorrentを介してBitTorre
ntを利用して、本件発信者から本件ファイルを取得し、当該ファイルが本件
動画と同一であることの確認を行っている。
そうすると、本件発信者が、BitTorrentを利用して本件動画のフ
ァイルの一部(本件ファイル)を他のBitTorrentの利用者と送受信
することにより、BitTorrentの利用者である本件発信者による送信
可能化及び自動公衆送信が生じ、本件動画に係る公衆送信権(著作権法23条)
の侵害が成立することは明白である。
2 被告は、本件調査会社がダウンロードした動画と、本件動画の同一性が不明
であるなどと主張する。しかしながら、本件調査会社は、甲1のスクリーンシ
ョット撮影時に、対象となった動画が再生され、かつ、正規品(本件動画)と
同じ内容であることを確認しているから、同一性は認められる。
(被告の主張)
1 本件調査会社がダウンロードしたとする甲8は、原著作物(本件動画)とさ
れる甲7のファイルとは大きさも異なり、実質的に同一の動画であるのか、そ
の翻案等に当たるのか不明である。
2 また、本件調査に係る機器の性能等によっては、IPアドレス及びタイムス
タンプが正確でないことがあり得る。

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。