輸送施設使用停止命令並びに運賃の変更命令差止 請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号平成27(行コ)166
判決日2016-06-30
分類高裁
判決種別判決
判決文が挙げた条文行政事件訴訟法37条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び当事者の主張は,次の3及び
4のとおり当審における当事者の主張を付加するほかは,原判決「事実及び理
由」の「第2 事案の概要」の1から3までに記載のとおりであるから,これ
を引用する。
3 当審における控訴人の主張
(1) 運賃変更命令,使用停止処分2及び事業許可取消処分の差止請求に係る訴
えは,差止めの訴えにおける処分の蓋然性の要件,重大な損害の要件,補充
性の要件という訴訟要件を欠く不適法なものである。
とりわけ,重大な損害の要件,補充性の要件については,争訟の対象とな
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る不利益処分が累次的にされることが予想されるとしても,処分によって生
じる損害の内容,性質,程度等は個別の処分ごとに異なる上,処分がされる
段階に応じて実効的な救済を図る必要性や緊急性の程度も異なるから,要件
充足の有無の判断は,個別の処分ごとに行うべきである。
(2) 近畿運輸局長の公定幅運賃の範囲の指定に違法はない。
ア 国土交通大臣等には公定幅運賃の範囲を指定するに当たり広範な裁量が
ある。
特措法16条2項が,公定幅運賃の範囲を指定する基準について,抽象
的,概括的にしか定めておらず,運賃額を一義的に定めることは不可能で
あることからすると,公定幅運賃の範囲を具体化するには,行政庁の専門
技術的な知識経験や公益上の配慮に基づく判断が必要であり,国土交通大
臣等は広範な裁量を有している。
イ 本件における近畿運輸局長の,公定幅運賃の範囲の指定に関する判断に
裁量権の範囲の逸脱・濫用の違法はない。
(ア) 自動認可運賃の幅は合理的に定められており,特措法の趣旨に沿う
適正な運賃の幅である。
自動認可運賃は,道路運送法における運賃認可制度の下で,適正な原
価及び利潤をまかなうものであって,輸送の安全が確保されていると認
められる運賃として,個別審査が不要とされた運賃である。元をたどる
と,同一地域同一運賃制度の下における基本運賃に行きつき,この基本
運賃は標準的な事業者の適正な運賃であったといえる。
したがって,自動認可運賃の幅は,公定幅運賃の範囲と趣旨・目的を
同じくする。
(イ) 自動認可運賃は適時変更されてきたが,その運賃幅は公定幅運賃制
度導入時においても標準的な事業者の適正な運賃であった。
(ウ) 自動認可運賃の下ですら,供給過剰により減少した売上げ,歩合制
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の賃金を増やそうとする過当競争に起因すると考えられる事故が発生す
るなど,輸送の安全が脅かされるおそれがあった。公定幅運賃の範囲を
定めるに当たって,上記の点を考慮するのは当然である。
ウ 下限割れ運賃で営業していたタクシー事業者の運賃や経営実態等を個別
具体的に考慮しなければ違法であるとはいえない。
下限割れ運賃が認められたときの道路運送法9条の3第2項3号のいう
運賃に係る不当競争とは

主文(判決文より)

1 原判決主文第2項を次のとおり変更する。
(1) 近畿運輸局長は,被控訴人に対し,特定地域及び準特定地域における一般
乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法16条の4第
3項に基づく運賃の変更命令に違反したことを理由として,同法17条の3第
1項に基づき,一般乗用旅客自動車運送事業の許可を取り消してはならない。
(2) 被控訴人の,運賃変更命令違反を理由とする使用停止処分の差止請求に係
る訴えを却下する。
2 控訴人のその余の控訴を棄却する。
3 訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを5分し,その2を被控訴人の負担とし,
その余を控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。