損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和3(ワ)16043
判決日2024-01-26
分類知的財産 / 商標
判決種別判決
判決文が挙げた条文商標法38条2項、民法709条
当事者原告 株式会社パウート/被告 サムライワークス株式会社

この事件の代理人

  • 熊澤誠(原告代理人)/第二東京弁護士会
  • 犬飼一博(被告代理人)/大阪弁護士会

争点(判決文より)

争点
⑴ 被告標章は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識すること
ができる態様により使用されていない商標であり、本件商標権の効力が及ば
ないか(争点1)
⑵ 被告標章は、商品の用途として普通に用いられる方法で表示されたもので
あり、本件商標権の効力が及ばないか(争点2)
⑶ 本件商標は、商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみ
からなる商標であり、無効審判により無効にされるべきものであるか(争点
3)
⑷ 損害の発生及びその数額(争点4)
3 争点に関する当事者の主張
⑴ 争点1(被告標章は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識
することができる態様により使用されていない商標であり、本件商標権の効
力が及ばないか)について
(被告の主張)
被告は、被告商品以外にも被告商品名で衛生マスクを販売しており、被告
商品名の衛生マスクは、令和2年12月時点で約1万5000箱もの数量が
販売されており、被告の販売する衛生マスクを指し示す商品名として、広く
需要者に認識されている。
そして、商品を陳列したり、ECサイト上で商品写真を展示する際は、商
品の正面から見た角度を基本に配置するのであるから、「態様により」商標
的使用と判断されるか否かの判断にあたっても、商品の正面を基本として判
断すべきであるが、被告標章が付された被告商品には、被告商品名の文字が、
正面及び両側面の中央に大きく表示されているのに対し、被告標章は、上面
に記載されているほかは、正面の右上に小さく表示されているのみである。
また、被告標章は、「お年賀」という文字列と「マスク」という文字列を
組み合わせて一つの文字列を形成しているものであるが、そもそも「お年賀」
という用語は、広辞苑(第6版)において、「①新年の祝い。年始の祝賀②
長寿の祝い。賀の祝い。算賀。」という意味を有する。そして、「年賀」
ないし「お年賀」という言葉は、後に言葉を続けて複合語になることが予定
されており、「(お)年賀」+「●●(一般名詞)」の用法で用いられてい
る用語は多数存在するのであって、「年賀」又は「お年賀」という語は、後
ろに一般名詞を付すことによって、当該一般名詞である「●●」を「新年に
際し親しい間柄の人に贈る●●」という意味に変えることができる。「年賀」
ないし「お年賀」の後に続く語は、実際に用いられているものだけでも「ギ
フト」「せんべい」「タオル」「写真ケーキ」「ケーキ」「コーヒー」「酒」
と様々なバリエーションがある。「お年賀」という用語を「マスク」という
用語に結合させた場合には、需要者にとって、単に新年に際し親しい間柄の
人に贈るためのマスク、すなわち「お年賀としてのマスク」という意味合い
しか有しない。「お年賀マスク」に限ってみても、被告が被告商品を販売し
たのとほぼ

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、94万8681円及びこれに対する令和3年7月8日
から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを35分し、その1を被告の負担とし、その余を原告の負担
とする。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。