事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和5(ワ)70007
判決日2024-02-26
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法2条1項9号
当事者原告 有限会社プレステージ/被告 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社

この事件の代理人

  • 戸田泉(原告代理人)/第一東京弁護士会
  • 新英樹(原告代理人)/東京弁護士会
  • 松田 真(被告代理人)/第二東京弁護士会

争点(判決文より)

争点
(1) 権利侵害の明白性(争点 1)
(2) 本件発信者情報の「当該権利の侵害に係る発信者情報」該当性(争点 2)
3 争点に関する当事者の主張
(1) 権利侵害の明白性(争点 1)
〔原告の主張〕
本件調査において UNCHOKE 通信がされたということは、本件発信者が、ビット
トレントを介し他のユーザーからの要求に応じて本件動画に係るファイル(ピース)
を送信可能な状態にしていたことを示す。また、本件発信者は、ビットトレントの
ネットワークにそれぞれ接続した上、本件動画のデータをダウンロードして自己の
端末内に複製している。
したがって、原告の本件動画に係る著作権(公衆送信権(送信可能化権))が侵害
されたことは明らかである。
〔被告の主張〕
ア 共有された動画は、本件動画を複製したものではないこと
本件で共有された動画は、本件動画と異なり、モザイク処理が施されていない。
したがって、本件動画が複製され、その複製された動画ファイルがビットトレン
ト上で送信可能化されたとはいえない。
イ 本件検出システムの信頼性
別紙動画目録には、通信自体が存在しないものが含まれる。すなわち、動画目録
通し番号 19、41 及び 160 に各記載の通信については、同目録記載の IP アドレス、
発信元ポート番号、発信時刻に当てはまる通信自体が存在しない。これは、当該 3
件については、少なくとも、IP アドレス、発信元ポート番号又は発信時刻のいずれ
かが誤っていることを意味する。このことは、特定の結果通信自体は存在していた
というケースについても、IP アドレス、発信元ポート番号又は発信時刻の全部又は
一部が誤っていたにもかかわらず、これに該当する通信自体が偶々存在したという
ケースが含まれる可能性を示唆する。
したがって、本件検出システムの検出結果は正確性を欠く。
(2) 本件発信者情報の「当該権利の侵害に係る発信者情報」該当性(争点 2)
〔原告の主張〕
本件発信者は、本件動画のデータをダウンロードした後、継続して本件動画をア
ップロード状態に置くことで、本件動画の送信可能化権侵害(著作権法 2 条 1 項 9
号の 5 ロ)を継続している。UNCHOKE 通信はこの送信可能化権侵害の事実を裏付
けるものである。
したがって、本件発信者情報は「当該権利の侵害に係る発信者情報」(法 5 条 1 項)
に該当する。
〔被告の主張〕
UNCHOKE 通信は、あるピアが自身の保有しているファイルをアップロード可能
であることを要求元に対し通知する通信に過ぎず、これにより本件動画が送信可能
化されたとはいえない。したがって、UNCHOKE 通信に係る本件発信者情報は、「当
該権利の侵害に係る発信者情報」に該当しない。

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。