発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和5(ワ)70210
判決日2024-03-07
分類民事 / 著作
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点は権利侵害の明白性であり、これに関する当事者の主張は以
下のとおりである。
(原告の主張)
(1) 本件調査会社は、本件調査によって、本件発信者から本件動画のピースをダ
ウンロードし、これを保有する本件発信者が接続している IP アドレス、接続日時
等を特定した。また、本件調査会社担当者は、ダウンロードしたファイルの動画と
本件動画とを見比べてその同一性を確認した。
したがって、本件発信者は、本件調査会社の求めに応じて自動的に本件動画のピ
ースを送信したといえる。このような行為は、原告の本件動画に係る公衆送信権侵
害に当たる。
(2) 被告の主張について
ア 本件クライアントソフトは、BitTorrent を管理する会社が提供するソフトウ
ェアであるから、BitTorrent を通して取得した情報を正確に利用者に提供している
といえ、信頼できるものである。
イ 本件 IP アドレスの特定に関しては、「上り速度」の記載がなくともダウンロ
ードは進行するから、その記載がなかったとしても、本件調査会社がダウンロード
できていなかったことにはならない。
また、本件調査会社担当者は、本件 IP アドレスから取得した動画データを確認
する作業を行っており、その作業には 1 分以上を要する。このことを踏まえ、本件
発信者による通信の時刻を「00 秒」と特定したものである。本件調査会社担当者は、
キャプチャー画面をスクリーンショットした時(分)の「00 秒」時点には正に当該
画面を視認していたのであって、虚偽の報告をする必要はない。そのほか、被告に
おいて、本件 IP アドレスが 2 名以上に割り当てられており特定できないなどとい
った事実もない。
ウ 一般的に、本件発信者による送信時点で保有しているファイルの保有率が低
い場合にも、動画として再生することは可能である。また、BitTorrent 等のファイ
ル交換ソフトにおいてはある時点までに移転したピースが結合されて一連の動画と
して閲覧することが可能となるところ、本件発信者による通信がされた時点で本件
動画のうちのどの部分であるか確認することはできない。そうである以上、本件発
信者による通信の時点で侵害の事実が認められれば、動画ファイルのうちどの部分
であるかなどといった点までの立証は不要とするのが合理的である。
(被告の主張)
不知ないし争う。
(1) 本件クライアントソフトは特定方法等の信頼性が認められたシステムでは
ないから、これを利用した本件調査は信用性を欠く。
(2) 原告の立証は、以下の点で不十分である。
ア 本件 IP アドレスの特定に関し
(ア) 本件調査において把握される通信としては、本件発信者と本件調査会社、す
なわちピア間の通信に限っても、BitTorrent 上で相手方がピアであることを確認

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。