動産引渡請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和4(ワ)24934
判決日2024-03-13
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

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争点(判決文より)

本件の争点は、原告の本訴請求が権利の濫用に当たるといえるかである。
⑴ 被告の主張
被告は、原告に対して本件動産を引き渡すことは、これによって得られる
原告の利益と比較しても公共に与える危険が極めて大きく、公共の安全、社
会秩序が強く害されるといえるから、原告が所有権に基づく引渡請求権の行
使として本件動産の引渡しを求めることは、私権の本質である社会性、公共
性に反し、権利の濫用に当たるから許されないと主張し、そのようにいえる
事情として、要旨次のとおり主張している。
ア 本団体の状況
オウム真理教は、殺人を勧める内容や結果のためには手段を選ばないと
する内容を含む危険な教義を行動原理としていた。また、かつてオウム
真理教内では、教祖である本件故人の毛髪や体液等は、教祖の霊的エネ
ルギーが注入されたものとして取り扱われ、教祖である本件故人への絶
対的帰依を確実にするものとして、さらにはオウム真理教の人的・金銭
的拡大とともに組織力を強化するものとして用いられ、その求心力の強
化に利用されてきた。その結果、オウム真理教は、その教祖たる本件故
人を首謀者として、組織的に、無差別大量殺人行為を含む多数かつ大規
模な、我が国の犯罪史上類を見ない凶行に及んだ。
本団体は、本件故人の死刑が執行された現在もなお、オウム真理教から
名を変えつつも、「Aleph」の名称を用いる団体(以下、単に「A
leph」という。)、「山田らの集団」、「ひかりの輪」の名称を用
いる団体などに分派して存在し、本件故人の説く殺人を勧める内容を含
む危険な教義を堅持し、本件故人に絶対的に帰依する信者から構成され
る、従前と同様の閉鎖的組織を維持しつつ、新規構成員や活動資金等の
獲得のために本件故人によるオウム真理教の教義等を利用して活動を続
けており、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性があると認められる団体で
ある。
イ 原告に対する本件動産の引渡しにより生じる公共の安全に対する危険性
(ア) 本団体ないし信者によって公共の安全や社会秩序が害されること
本件動産は、本団体の信者にとって絶対的帰依の対象である本件故人
のかけがえのない身体の一部であるから、現在においても崇拝の対象に
なることは明らかである。そのため、本件動産は、本団体にとっては、
信者の獲得やその信仰の深化、組織力の強化、経済的な基盤や資力の強
化に資する極めて重要なものであり、それ故に、本団体ないし信者間に
おいて争奪の対象となったり、その所在が抗争を生じさせるといった、

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、別紙2物件目録記載の物件を引き渡せ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。