発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和5(ワ)70030
判決日2024-03-14
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文プロバイダ責任制限法2条1号、プロバイダ責任制限法2条3号、プロバイダ責任制限法5条1項、著作権法2条1項9号
当事者原告 有限会社プレステージ/被告 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社

この事件の代理人

  • 戸田泉(原告代理人)/第一東京弁護士会
  • 堀田耕平(原告代理人)/第一東京弁護士会
  • 松田 真(被告代理人)/第二東京弁護士会

争点(判決文より)

本件の争点は、「権利の侵害に係る発信者情報」該当性、特定電気通信該当
性及び調査の信用性であり、これらの点に関する当事者の主張は、以下のとお
りである。
1 争点1(「権利の侵害に係る発信者情報」該当性)について
(原告の主張)
⑴ 本件各発信者による送信可能化権侵害
本件調査において、本件ソフトウェアがトラッカーサーバーに接続し、本
件動画に係るファイルの提供者のリストを要求したところ、トラッカーサー
バーから、別紙発信者情報目録記載のIPアドレス等が記載されたリストが
送信された。したがって、本件各発信者は、BitTоrrentのネット
ワークにアクセスした上で、本件動画を複製した動画のファイルをアップロ
ードできる状態にしていたのであり、これにより本件動画に係る原告の送信
可能化権を侵害した。
⑵ 本件ソフトウェアは、トラッカーサーバーから、IPアドレス等が記載さ
れたリストを受け取った後、同リストに掲載されたユーザーに接続して、同
ユーザーが応答することの確認(Handshake)を行い、続いて、U
NCHOKEに移行する。別紙動画目録記載の日時は、このUNCHOKE
段階のものであり、この時点において、本件各発信者は、ビットトレントの
ネットワークを介して、本件動画に係るファイルを自動公衆送信し得る状態
にし、その状態が継続していることを通知している。
被告は、UNCHOKEが、プロバイダ責任制限法5条1項にいう「権利
の侵害に係る発信者情報」に該当しないと主張する。しかしながら、本件ソ
フトウェアは、UNCHOKEの通信によって、本件各発信者が、本件調査
会社を含む不特定多数の者に対し、自らの端末をインターネットに接続する
ことにより、同端末に記録されたファイルの情報を、ビットトレントネット
ワークを介して自動公衆送信し得ることを認識した。したがって、UNCH
OKEに係る情報は、プロバイダ責任制限法5条1項にいう「権利の侵害に
係る発信者情報」に該当するものである。
(被告の主張)
⑴ 原告は、別紙動画目録記載の時刻がUNCHOKEの時点であることを前
提に、送信可能化権侵害を主張する。しかしながら、UNCHOKEとは、
あるピアが、自身の保有しているファイルをアップロード可能であることを
通知する通信にすぎず、公衆送信用記録媒体に情報を記録したり、自動公衆
送信装置について、公衆の用に供されている電気通信回線へ接続したりする
行為に該当しないから、著作権法2条1項9号の5のイ又はロのいずれにも
該当しない。
そうすると、UNCHOKEによって本件動画が送信可能化されたという
ことはできず、本件各発信者に係る情報が、プロバイダ責任制限法5条1項
にいう「権利の侵害に係る発信者情報」に当たらないことは明らかである。
⑵ また、プロバイダ責任制限法

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は、原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。