損害賠償等請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和5(ワ)70315
判決日2024-03-25
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法704条、民法709条、著作権法14条、著作権法112条1項、著作権法114条3項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 本件書籍の著作権の帰属
(2) 被告の故意又は過失の有無
(3) 損害額
(4) 不当利得の成否
3 争点に関する当事者の主張
(1) 争点(1)(本件書籍の著作権の帰属)
(原告の主張)
ア 本件書籍の著作権が原告ほか 2 名に帰属すること
原告ほか 2 名は、本件財団法人の依頼を受けて、平成 16 年~平成 17 年にかけて
本件書籍を制作した。具体的には、以下のとおりである。
原告は、本件書籍の本文(解説文)全文の執筆、章末練習問題の加筆修正並びに
視覚素材の大半の作成及び全部の選択・配列(編集)を行った。
Cは、原告の依頼・指示に基づき、章末練習問題の作問、執筆を行った。
Dは、人物イラスト素材の作成を行った。なお、人物イラストは、原告が上着・
スカート・ブーツ等の着装パーツの面積割合を指定してDに作成を依頼し、Dがソ
フトを使用して各ページのモデルを線画作成すると共に肌を着色し、これに原告が
同ソフトで着装パーツに着色して、各ページで同一人物・複数着色のバリエーショ
ンを配列したものである。
したがって、本件書籍のうち、本文(解説文)は原告の単独著作物、章末練習問
題は原告及びCの共同著作物、人物イラスト素材は原告及びDの共同著作物、人物
イラスト以外の素材は原告又は他の者(素材提供者)の単独著作物(大半は原告の
単独著作物)である。
イ 著作権法 14 条の不適用
本件書籍の奥付にある©マーク下に表示されている「Bunka Publishing Bureau」
は、被告の名称でも変名でもない。また、©マークに法的意味はなく、©マークに続
く表示が直ちに著作者名の表示になるものではない。仮に、学校法人が書籍を出版
するにあたり内部組織である出版部局の名称を用いることがあるとしても、外から
では内部組織なのか別組織なのか区別できないため、そのような表示をもって著作
者の表示とみることは、法人等が社会的責任を負担することと引き換えに著作者性
を獲得し、その著作物を利用する外部者・第三者の信頼や予測可能性を担保する法
の趣旨に反する。
さらに、本件書籍の奥付には「発行」との表記に続いて被告の名称が表示されて
いるが、「発行」は「制作」を意味するものではないから、著作者の表示の「通常の
方法」として表示されているものではない。
そのほか、本件書籍に著作者としての被告の名称の表示はない。
したがって、被告は、著作権法 14 条により本件書籍の著作者と推定されない。
ウ 職務著作の要件を満たさないこと
(ア) 「法人等の発意」について
a 本件書籍の制作は、被告が発意したものではない。
本件検定試験の準備が被告の職員を中心とするメンバーにより検討された事実と
本件書籍の制作とは関係がない。
また、本件財団法人が作成した本件計画案によれば、本件財団

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。