著作権侵害損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和5(ワ)70559
判決日2024-04-18
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法2条1項1号
当事者被告 株式会社朝日新聞出版

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
⑴ 著作権及び著作者人格権の侵害の成否(争点1)
⑵ デッドコピーによる不法行為の成否(争点2)
⑶ 氏名不表示による不法行為の成否(争点3)
⑷ 社内調査結果の不説明による不法行為の成否(争点4)
⑸ 損害(争点5)
4 争点に対する当事者の主張
なお、争点整理の結果、被告の主張は、別紙著作物対比表「被告の主張」欄に
も、まとめて記載されている。
⑴ 著作権及び著作者人格権の侵害の成否(争点1)
(原告の主張)
ア 被告記述1と原告記述1を比べると、文章の構成や用語、客観的事実の取
捨選択や配列がほぼ同一であり、通常の雑誌編集等の作業において、一見し
て盗用・剽窃又は引用ではないかと注意を喚起する程度に似ており、被告記
述1からは、原告記述1の表現形式上の本質的な特徴を直接感得することが
できる。
イ また、被告記述2と原告記述2を比べると、文章の構成はほぼ同一であり、
用語、客観的事実の取捨選択や配列も極めて似ており、ほぼ同じ文章も複数
存在する。このように、通常の雑誌編集等の作業において、一見して盗用・
剽窃又は引用ではないかと注意を喚起する程度に似ており、被告記述2から
は、原告記述2の表現形式上の本質的な特徴を直接感得することができる。
ウ したがって、被告各記述は、原告各記述を複製又は翻案したものであり、
原告の複製権・翻案権を侵害するものであるとともに、同一性保持権及び氏
名表示権を侵害するものである。
(被告の主張)
原告記述1と被告記述1との間、及び、原告記述2と被告記述2との間にお
いて、それぞれ、文章の構成や用いる表現、記載された客観的事実などに類似
点があることは認めるものの、被告各記述は、原告各記述の複製又は翻案には
当たらない。
すなわち、著作権法は、思想又は感情の創作的な表現を保護するものである
から(著作権法2条1項1号)、既存の著作物に依拠して創作された著作物が
思想、感情若しくはアイデア、事実若しくは事件など表現それ自体でない部分
又は表現上の創作性がない部分において、既存の著作物と同一性を有するにす
ぎない場合には、複製にも翻案にも当たらないものと解されている(最高裁判
所平成13年6月28日第一小法廷判決・民集55巻4号837頁参照)。
したがって、複製又は翻案に該当するためには、既存の著作物とこれに依拠
して創作された著作物との同一性を有する部分が、著作権法による保護の対象
となる思想又は感情を創作的に表現したものであることが必要であるところ
(著作権法2条1項1号)、文章自体がごく短く又は表現上制約があるため他
の表現が想定できない場合や、表現が平凡かつありふれたものである場合には、
筆者の個性が表現されたものとはいえないから、創作的な表現であるというこ
とはできない。
そして、別紙著作物対比表「被告の主張」

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。