事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和4(ワ)5542 |
| 判決日 | 2024-07-18 |
| 分類 | 行政 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項、憲法38条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は、本件検察官らの取調べが国家賠償法1条1項の適用上違法である か否か(争点1)、原告の損害の発生の有無及び金額(争点2)である。 ⑴ 争点1(本件検察官らの取調べが国家賠償法1条1項の適用上違法であるか 否か)について (原告の主張) ア 黙秘の意思の表明後に取調べを継続したことが違法(黙秘権侵害)であるこ と 憲法38条1項が包括的黙秘権の実効的な保障を求めていることからすれば、黙 秘権行使の意思を明確にしている者に対して取調べを継続する行為は、憲法及び刑 事訴訟法(以下「刑訴法」という。)が保障する黙秘権を侵害するものであり、国家 - 4 - 賠償法上違法というべきである。被告は、刑訴法198条1項を根拠に、黙秘して いる被疑者にも取調べ受忍義務が認められる旨主張するが、そのような解釈は、黙 秘権の保障の趣旨に反し、誤りである。 原告は、10月15日の逮捕直後の弁解録取において、被疑事実を否認する旨及 びこれ以上話すことはない旨を伝え、同月16日の取調べの冒頭でも黙秘に入る旨 を述べて、黙秘の意思を明らかにし、それ以降の取調べにおいて、一貫して黙秘権 を行使した。それにもかかわらず、本件検察官らは、別紙のとおり50時間以上も の長時間にわたり取調べを続けた。被疑者が黙秘権を行使しているにもかかわらず 取調べを続行して発問や説得をする行為は、供述の強要であり、黙秘権保障の趣旨 と相いれないものである。 したがって、原告が黙秘の意思を明示的に表明し、その意思をA検察官が確認し た時点(10月16日15時23分)以降において、本件検察官らが別紙のとおり 取調べを行ったこと自体が、原告の黙秘権を侵害する国家賠償法上違法な行為であ るというべきである。 イ A検察官の取調べが社会通念上相当と認められる範囲を逸脱し違法であるこ と 前記アが認められないとしても、本件取調べにおけるA検察官の取調べは、以下 のとおり、社会通念上相当と認められる範囲を逸脱するものであり、国家賠償法上 違法である。 黙秘権侵害 取調べ受忍義務を肯定する現在の裁判実務を前提としても、黙秘権を行使する被 疑者に対する発問、説得等には一定の限界があり、限界を超える発問、説得等は、 黙秘権を侵害するものであり、社会通念上相当な捜査権限の行使とは評価し得ず、 国家賠償法上の違法を構成するものというべきである。 A検察官の取調べは、原告の人格や弁護士としての能力、本件犯人隠避教唆事件 における原告の防御方針を執拗に非難するなどして、原告を精神的に圧迫すること - 5 -
主文(判決文より)
1 被告は、原告に対し、110万円及びこれに対する平成30年11月6日か ら支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は、これを10分し、その9を原告の負担とし、その余を被告の負 担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。