事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号平成27(う)1351
判決日2017-03-17
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点顕在化義務違反を理由とする訴訟手続
の法令違反の主張について
論旨は,要するに,原審裁判所が,本件殺人の事実につき,訴因変更手続も争点
顕在化措置もとることなく,Iを乙の崖から飛び降りて死ぬ以外に選択することが
できない精神状態に陥らせた時期について,公訴事実と異なる認定をしたのは訴因
逸脱認定又は不意打ち認定に当たるから,原審の訴訟手続には判決に影響を及ぼす
ことが明らかな法令違反がある,というのである。
⑴ 本件殺人の公訴事実の要旨
本件殺人の公訴事実の要旨は,被告人は,兵庫県尼崎市△△通×丁目×番×号所
在の甲○○号室(以下「甲」という。)において,B,C,D,E,F,G,H,
Iらと同居していたものであるが,Cの戸籍上の配偶者であるIを被保険者とする
生命保険等の保険金を入手するため,同人を事故死に見せかけて殺害しようと企て,
B,C,D,E,F,G及びHと共謀の上,遅くとも平成17年3月上旬頃には,
同所において,かねてからBの意のままに従わざるを得ない状況に置かれていたI
に対し,交通事故を装って死ぬように命じ,これを実行しようとしない同人に対す
る制裁として,同年5月下旬頃までの間に,同所において,同人に対し,「ええ加
減にせえよ。」「意地を見せろ。」などと怒鳴り付け,3日間にわたって飲食をさせ
ず,同人の両腕を机に打ち付けるなどの暴行を加え,長時間の正座を強制するなど
して,死ぬことを拒むことができない状況にした上で,沖縄県の指定名勝乙の崖か
ら飛び降りて死ぬよう命じ,同年6月中旬頃,同人を同県へ同行させ,同月30日
頃,同県国頭郡△△村所在のロッジにおいて,それぞれ同人と死別の挨拶を交わし,
翌7月1日午前9時過ぎ頃,同所において,同人に対し,乙の崖から飛び降りて死
ぬよう改めて申し向けつつ,同人の身に着けていたネックレスを遺品としてBが受
け取る形見分けの儀式をした上で,同日午前10時20分頃,同村所在の乙の崖
(高さ約27.5m)の上において,Iを足場が不安定な同崖の縁に立たせ,その
前に被告人,D,E,F,G及びHがIに背を向けて立ち,「はよせな。」などと言
って,早く同所から飛び降りて死ぬよう同人に命じるなどし,同所から飛び降りる
以外に選択することができない状態にして,同人をして,前記崖の縁から飛び降り
させ,よって,その頃,前記崖の下において,同人を頭部損傷により死亡させて殺
害した,というものである。
⑵ 原審における本件殺人の審理経過
記録によれば,原審における本件殺人の審理経過は,概略,次のとおりであった
と認められる。
ア 検察官は,平成26年2月28日付け証明予定事実記載書(I事件の事実構
造式証明予定)において,威迫等を加えて人を飛び降りさせて死亡させた場合,被
害者の意思の抑圧の程度が高い場合には自殺関与罪では

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。
当審における未決勾留日数中360日を原判決の刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。