障害基礎年金不支給決定取消等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号平成28(行コ)303
判決日2017-04-13
分類高裁
判決種別判決
判決文が挙げた条文行政事件訴訟法8条

この事件の代理人

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争点(判決文より)

本件の争点は,繰上げ請求前に法30条の3第1項所定の事由が生じていた
としても,繰上げ受給者は法附則9条の2の3により併合障害基礎年金の請求
ができなくなるのかどうかである(もし,その請求が許されると判断される場
合,義務付け請求の当否を審理させるため本件を原審に差し戻すことになるか
ら,本件基礎事実の有無は当審での審理の対象とならない。そのため,以下に
おいて本件基礎事実の有無に関する摘示はしない。)。
争点に関する当事者の主張は,次の4及び5のとおりである。なお,当事者
の主張における「基本権」「支分権」とは,前者が法102条1項にいう「年
金給付を受ける権利」を指し,後者が同項括弧書きにいう「支払期月ごとに…
給付の支給を受ける権利」を指す概念である。
4 争点に関する控訴人の主張
(1) 法附則9条の2の3の趣旨
法30条の3第1項によれば,65歳に達する前に重度障害状態になった
者は併合障害基礎年金の受給権を取得するが,65歳に達した者はその後に
重度障害状態となっても併合障害基礎年金の受給権を取得しない。
繰上げ受給者は,たとえ65歳未満であっても65歳に達した者と同視す
るのが公平であるから,繰上げ請求後に重度障害状態になっても併合障害基
礎年金を支給しないことにしなければならない。法附則9条の2の3は,正
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にこのことを明らかにする規定である。しかし,同条は,それ以上の積極的
な法的効果(繰上げ請求時に既に発生していた併合障害基礎年金の受給権を
も消滅させるとの法的効果)を意図した規定と解する根拠はない。
(2) 繰上げ請求をしない場合との比較
老齢基礎年金の繰上げ請求をしなかった場合,65歳に達するまでに重度
障害状態(いわゆる「初めて2級」の状態)に至り,併合障害基礎年金の受
給権が発生していれば,65歳以降であっても,基準障害による障害基礎年
金の支給を請求することができる。
もし,法附則9条の2の3が,繰上げ請求時点で重度障害状態になかった
者に対しても,同時点で既に重度障害状態にあった者に対しても,一律に適
用されるとした場合,後者についてだけ,既に取得していた併合障害基礎年
金の受給権を失わせるという重大な不利益をもたらすのであり,このような
結果は著しく不公平であるから,後者に同条が適用されるという法解釈は誤
りというべきである。
(3) 通常障害基礎年金との比較
社会保険庁の質疑応答内容を記録した資料(甲9の添付資料9)や日本年
金機構が発行した「年金相談マニュアル」(甲21)には,通常障害基礎年
金の場合,繰上げ請求前に初診日及び障害認定日がある場合には,法9条の
2の3が適用されず,繰上げ受給者であっても通常障害基礎年金を受給する
ことができるとされる(障害認定日が平成26年6月10日で,繰上げ請求
が同月20日

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。