国家賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和4(ワ)22512
判決日2024-10-25
分類行政
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及びこれに関する当事者の主張
(1) 本件収容の国賠法上の違法性の有無(争点1)
(原告の主張)
以下のとおり、東京拘置所長は、原告についてその未決拘禁者としての収
容期間及び死刑確定者としての期間を通じて、必要性を十分検討することな
く、原告をテレビ室に収容し、それを漫然と継続したものであって、職務上
通常尽くすべき注意義務を尽くさなかったものである。したがって、本件収
容は、国賠法上、違法であるとの評価を免れない。
ア 東京拘置所長が原告をテレビ室に収容するための要件
東京拘置所長が原告を適法にテレビ室に収容するためには、①原告が要
注意者(本件達示2条3項2号ア)に該当し、かつ、②原告をテレビ室に
収容する具体的な必要性(同5条)が認められなければならない。
イ 未決拘禁者としての平成19年10月11日から平成25年3月27日
までの期間(以下「未決拘禁者期間」という。)におけるテレビ室への収容
について
未決拘禁者期間の原告には、同期間の原告の面接における発言や処遇担
当者が観察した動静、外部交通や物品制限の状況、宗教教誨の実施等に照
らすと、「特に視察の必要がある」とは認められないし(上記ア①)、テレ
ビ室に収容することを「必要と認める場合」でもない(上記ア②)。
ウ 死刑確定者としての平成25年3月27日から令和4年3月2日まで
(以下「死刑確定者期間」という。)のテレビ室への収容について
死刑確定者期間の原告は、死刑判決が確定している以上、「無期懲役刑以
上の求刑があった者」でも「無期懲役以上の判決が予想され(中略)る者」
でもないから、本件達示2条3項2号アに基づき、要注意者に該当すると
いうことはあり得ない(上記ア①)。
その上、死刑確定者期間の原告には、上記イと同様に、同期間の原告の
面接における発言等に照らすと、「特に視察の必要がある」とは認められな
いし(上記ア①)、テレビ室に収容することを「必要と認める場合」でもな
い(上記ア②)。
(被告の主張)
以下のとおり、本件収容について、東京拘置所長に裁量権の逸脱等はなく、
職務上の注意義務違反はないから、国賠法上の違法は認められない。
ア 原告の収容に関する東京拘置所長の裁量の程度等
東京拘置所のような刑事施設においては、被収容者の収容を確保し、そ
の処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な生活を確保するため、
規律及び秩序の維持の妨げとなる行為を未然に防止し、あるいは早期に発
見することが最重要であり、被収容者の動静を確認する必要性が高い。
一方、被収容者は、一般社会と異なり、行動が相当程度制限されており、
その制限に違反すれば懲罰等の対象にもなるため、その動静は基本的に常
に巡回視察の対象となり、一般国民と比較してプライバシーの保護の要請
が後退することもやむを得ない。
そし

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、55万円及びうち50万円に対する令和4年
3月11日から、うち5万円に対する同年10月8日から、各支払済
みまで年3分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は、これを35分し、その1を被告の負担とし、その余を
原告の負担とする。
4 この判決は、第1項に限り、本判決が被告に送達された日から14
日を経過したときは、仮に執行することができる。ただし、被告が3
5万円の担保を供するときは、その仮執行を免れることができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。