事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和5(ワ)70070
判決日2025-01-22
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文プロバイダ責任制限法2条1号、プロバイダ責任制限法2条4号
当事者原告 有限会社プレステージ/被告 ソフトバンク株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張
⑴ 本件各通信は「特定電気通信」に該当するといえるか(争点1)
(原告の主張)
ビットトレントを利用してファイル又はピースをアップロードする者とこ
れをダウンロードする者との間には、何ら人的結合関係はなく、本件調査会
社も、ビットトレントを利用して本件氏名不詳者らから本件ファイル又はそ
のピースをダウンロードすることができる不特定多数の者の一人にすぎない。
したがって、本件各通信は、不特定の者によって受信されることを目的と
する電気通信の送信であり、「特定電気通信」(プロバイダ責任制限法2条1
号)に該当する。
(被告の主張)
本件各通信は、本件調査会社と本件氏名不詳者らとの間における一対一の
通信であり、通信の受信者である本件調査会社からさらに不特定の者に情報
が送信されるものではないから、「不特定の者」によって受信されることを目
的とする電気通信の送信であるとはいえない。
また、本件各通信は、「公衆によって直接受信されることを目的とする電気
通信の送信」(プロバイダ責任制限法2条1号)に該当するから、「特定電気
通信」から除かれるべきものである。
したがって、本件各通信は、「特定電気通信」に該当しない。
⑵ 本件氏名不詳者らが「発信者」に該当するといえるか(争点2)
(原告の主張)
本件氏名不詳者らは、「特定電気通信設備の送信装置」である被告の通信装
置(ルーター)に本件ファイルのピースに係る情報を入力し、当該情報を「不
特定の者」である本件調査会社に送信しているから、「発信者」(プロバイダ
責任制限法2条4号)に該当する。
(被告の主張)
プロバイダ責任制限法2条4号の「不特定の者に送信されるもの」との要
件に該当するためには、通信の受信者からさらに不特定の者に情報が送信さ
れることを要するところ、本件各通信は本件調査会社と本件氏名不詳者らと
の間における一対一の通信であるから、本件氏名不詳者らは「発信者」に該
当しない。
⑶ 原告の本件動画に係る著作権が侵害されたことが明らかであるといえるか
(争点3)
(原告の主張)
本件各通信は、本件氏名不詳者らがビットトレントを利用して本件調査会
社に本件ファイルのピースをアップロードした通信であり、自動公衆送信に
該当する。
本件調査会社が行った再生試験によって、本件各通信によってダウンロー
ドされたピースについて、これらを再生することができ、本件動画の表現上
の本質的な特徴を直接感得することができるものと認められる。
したがって、本件各通信によって、原告の本件動画に係る著作権(公衆送
信権ないし二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(公衆送信権))が侵
害されたことが明らかである。

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録記載の各情報を開示
せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。