不正競争防止法違反

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和5特(わ)1278
判決日2025-02-25
分類知的財産

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点等
1 本件の概要
本件は、産総研で上級主任研究員として勤務していた被告人が、産総研の研究成
果であるC4の合成技術情報である本件ノウハウが記録されたファイルデータ(以
下、単に「ファイル」という。)を、中華人民共和国(以下、単に「中国」という。)
所在のB社の従業員宛てにメールに添付して送付し、産総研の営業秘密を開示した
として不正競争防止法違反に問われた事案である。
2 本件の争点
弁護人は、①そもそも本件メールの送信者は被告人ではない、②本件ノウハウに
関する研究はB社が中国の研究施設で行っていたものであるから、本件ノウハウは
産総研に帰属する研究成果物ではない、③本件ノウハウが産総研に帰属するとして
も、営業秘密としての非公知性に欠ける上、秘密として管理されていることを客観
的に認識することが可能な形で管理されていないから営業秘密に該当しない、など
と主張するとともに、④仮に、本件ノウハウが産総研の営業秘密であったとしても、
被告人はそのことを知らなかった、⑤被告人が本件ノウハウを産総研の営業秘密と
知って開示したとしても不正の利益を得る目的がなかった、として、不正競争防止
法違反の罪について無罪であると主張する。
そこで、以下、裁判所が判示の事実を認定した理由について補足して説明する。
第2 証拠上容易に認定できる前提事実
1 C4及び本件ノウハウの内容の概略
C4は、主に絶縁ガスとして使用されるフッ素化合物であり、同じく絶縁ガスと
して使用される六フッ化硫黄(以下「SF6」という。)に比べて地球温暖化への影
響が少ない物質としてその活用が期待されている物質であった。
本件ノウハウはC4の合成における合成工程と効率的な反応条件等に関するもの
であり、以下の内容を含んでいた。
⑴ 工程
①ヘキサフルオロプロペン(以下「プロペン」という。)とフッ化カルボニルを、
それぞれ気体の状態でパイプの中を流通させることで連続的に反応させ(気体の状
態で物質を反応させる手法のことを「気相法」という。)、へプタフルオロイソブチ
リルフルオリド(以下「フルオリド」という。)を生成する(以下「第1工程」とい
う。)。②①で生成されたフルオリドをアンモニアと第1工程同様、気相法により反
応させ、へプタフルオロイソブチルアミド(以下「アミド」という。)を生成する(以
下「第2工程」という。)。③②で生成したアミドと五酸化二リンを高圧釜と呼ばれ
る攪拌装置で反応させ、C4を生成する(以下「第3工程」)。また、本件ノウハウ
は、各工程を装置で繋ぎ、第1工程から第3工程までを連続的に実施する手法(「連
続工程」ともいう。)についても検討し、その実現可能性を示唆している。
⑵ 効率的な反応条件
本件ノウハウは、第1工程及び第2工程の各工程について、反応温度、原料の比
率、

主文(判決文より)

被告人を懲役2年6月及び罰金200万円に処する。
未決勾留日数中150日をその懲役刑に算入する。
その罰金を完納することができないときは、1万円を1日に換算
した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判が確定した日から4年間その懲役刑の執行を猶予する。
訴訟費用中、各証人に関する分は被告人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。