発信者情報開示命令の申立てについての決定に対する異議事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和6(ワ)70052等
判決日2025-03-07
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文プロバイダ責任制限法5条1項、プロバイダ責任制限法5条1項1号、プロバイダ責任制限法5条1項2号、プロバイダ責任制限法14条1項、民事訴訟法146条1項、民事訴訟法146条1項2号

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 本件反訴の提起が適法であるか(本案前の争点。争点1)
(2) 原告が本件発信者情報を保有しているか(争点2)
(3) 被告の「権利が侵害されたことが明らかである」(プロバイダ責任制限法5
条1項1号)か(争点3)
(4) 本件発信者情報の「開示を受けるべき正当な理由がある」(プロバイダ責任
制限法5条1項2号)か(争点4)
(5) 特定発信者情報の開示請求の当否(争点5)
4 争点に対する当事者の主張
(1) 争点1(本件反訴の提起が適法であるか(本案前の争点))について
(被告の主張)
本件反訴の訴訟物である発信者情報開示請求権は、本件本訴の異議の訴え
と同一の社会的事実である被告の権利を侵害する投稿行為を重要な考慮要素
として、その存否が確定されることになるのであるから、本件反訴の目的で
ある請求は、「本訴の目的である請求又は防御と関連する請求」(民事訴訟法
146条1項柱書本文)である。
また、本件反訴の提起により「著しく訴訟手続を遅滞させることとなる」
(同項2号)ことはない。
したがって、本件反訴の提起は適法である。
(原告の主張)
ア 本件本訴は異議の訴えであるところ、異議の訴えは本件原決定の変更又
は取消しを求めるものである。これに対し、被告が本件反訴によって追加
した請求は、本件原決定の判断の対象になっていない別個の発信者情報の
開示請求であり、請求の内容が異なる上、審理すべき内容も異議の訴えと
は質的に異なるものであるから、「本訴の目的である請求又は防御の方法と
関連する請求」(民事訴訟法146条1項柱書本文)との要件を満たさない。
イ また、被告が本件反訴によって追加した開示請求の対象であるIPアド
レスは、本件原決定が対象としているIPアドレスとは異なるものであっ
て、本件原手続においても全く審理の対象となっていなかった情報である。
被告による本件反訴の提起は、本件本訴の提起から半年近くが経過し、本
件本訴の争点が整理され、裁判をするに熟しているといえる状況において
されたものである。このような時期にされた本件反訴は、争点を徒に拡散
させ、訴訟手続の進行を著しく妨げるものである。
したがって、本件反訴の提起は、「著しく訴訟手続を遅滞させることとな
るとき」(民事訴訟法146条1項2号)に当たる。
ウ 以上によれば、本件反訴の提起は、不適法である。

主文(判決文より)

1 原告と被告との間の東京地方裁判所令和5年(発チ)第10258号発信者
情報開示命令申立事件について、同裁判所が令和6年1月24日にした決定を
取り消す。
2 前項記載の事件における被告の申立てを却下する。
3 被告の反訴請求をいずれも棄却する。
4 訴訟費用は、本訴反訴を通じ、被告の負担とする。

出典

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