発信者情報開示命令の申立てについての決定に対する異議の訴え事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和7(ワ)70067
判決日2025-10-16
分類民事 / 著作
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及びこれに関する当事者の主張
⑴ 権利侵害の明白性(争点1)について
(原告の主張)
原告投稿動画は、原告が原告の子どもの日常を創作的に映像にしたもので
あるから、原告の著作物に該当する。本件発信者は、原告投稿動画の全部又
は一部を無断でダウンロードして投稿(本件投稿)をしたものであるから、
本件投稿は、原告の原告投稿動画に対する複製権、公衆送信権及び頒布権を
侵害する。
(被告の主張)
原告投稿動画が著作物に該当すること、原告が著作権者に該当することは、
否認又は争う。また、本件投稿が、原告の複製権、公衆送信権及び頒布権を
侵害することは、不知又は否認する。
⑵ 被告による発信者情報の保有の有無(争点2)について
(原告の主張)
本件TikTokアカウントは、被告から報酬を得ており、その報酬はP
ayPalを通じて対象者の銀行口座に支払われているから、被告は、Pa
yPalから本件TikTokアカウントの保有者の氏名及び住所の情報を
受領しているはずである。また、本件サイトにおいて報酬を得るためには、
公的な身分証明書による年齢確認が必要であることに加え、被告は報酬を受
領しているアカウント保有者に対して支払調書を発行しているはずである。
したがって、被告は、本件発信者情報のうち氏名及び住所の情報を保有して
いる。
(被告の主張)
否認ないし争う。
被告は、本件サイトに係るアカウントとPayPalのアカウントが連携
される際に、PayPalから、APIを通じてPayPalアカウントに
関する特定の情報を自動的に受領する。しかしながら、この際に、氏名及び
住所を情報として受領することはなく、本件TikTokアカウントについ
ても、氏名及び住所の情報は受領していない。この点を措くとしても、被告
が上記の過程でPayPalから受領する情報は、本件発信者による動画投
稿や関連するログインやログアウトの過程で把握された情報ではなく、侵害
通信との関連性も不明であるから、「権利の侵害に係る発信者情報」(法5
条1項本文)に該当しない。したがって、被告は、本件発信者情報のうち氏
名及び住所の情報をいずれも保有していない。

主文(判決文より)

1 東京地方裁判所令和6年(発チ)第11447号発信者情報開示命令申
立事件について、同裁判所が令和7年2月3日にした別紙決定を認可する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。