国家賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和5(ワ)8517
判決日2025-10-20
分類行政
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び当事者の主張
⑴ 検査実施義務違反の有無(争点1)
【原告ら】
亡Eは、狭心症の罹患歴があるところ、令和4年2月13日、冷汗を伴う
胸痛、顔面蒼白、頻脈、頻呼吸、喘鳴、SpO2低下といった急性心筋梗塞
の症状が見られ、また、同月17日には、呼吸苦や手指蒼白の症状が生じ、
「苦しい、MRIとってくれ」などと訴えていた。
上記によれば、本件刑務所の職員は、亡Eについて、同月13日、遅くと
も同月17日に、急性心筋梗塞を疑い、鑑別診断のために心電図検査、心筋
マーカーを含む血液検査、心臓超音波検査といった必要な検査を行うべき義
務があったにもかかわらず、これらの検査を行わなかった。
【被告】
患者に対して、いつ、どのような検査をすべきかは、身体所見及び病歴を
も踏まえた医師等の合理的な裁量に委ねられているのであって、患者の主訴
のみによって判断するものではない。
亡Eは、本件刑務所に入所後、職員に対し、日常的に要求や愁訴、更には
処方薬や対処方法についてまで意見を述べることが多く、訴える内容が根拠
のあるものであるか否かを個別に判断し、対応の要否を検討しなければなら
ないことが頻繁にあり、狭心症の病歴も不明瞭なものであった。
このような状況の下、亡Eは、令和4年2月13日に胸痛を訴えていたが、
心筋梗塞を疑わせるような強烈な痛みはなく、身体所見やバイタルサイン上
も目立った異常は認められなかったのであるから、本件刑務所の職員におい
て、原告らが主張するような検査を行うべき義務はなかった。
また、亡Eは、同月17日午後1時10分頃から同日午後1時35分頃時
点において、顔面・手指蒼白とされているものの、胸痛は訴えておらず、よ
く話し、元気はある様子であり、バイタルサイン上も異常は認められなかっ
たのであるから、本件刑務所の職員において、原告らが主張するような検査

主文(判決文より)

1 被告は、原告Aに対し、24万2000円及びこれに対する令和4年3
月1日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
2 被告は、原告Bに対し、2万2000円及びこれに対する令和4年3月
1日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
3 被告は、原告Cに対し、2万2000円及びこれに対する令和4年3月
1日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
4 被告は、原告Dに対し、2万2000円及びこれに対する令和4年3月
1日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
5 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
6 訴訟費用は、これを130分し、その129を原告らの負担とし、その
余は被告の負担とする。
7 この判決は、第1項ないし第4項に限り、本判決が被告に送達された日
から14日を経過したときは、仮に執行することができる。ただし、被告
が原告Aのために20万円、原告B、原告C及び原告Dのために各2万円
の担保を供するときは、その原告との関係において、それぞれ第1項ない
し第4項に係る仮執行を免れることができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。