事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和5(ワ)6275 |
| 判決日 | 2025-10-30 |
| 分類 | 行政 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び争点についての当事者の主張 ⑴ 1月7日又は1月9日に超音波検査等を実施すべき注意義務を怠った過失の 成否 (原告らの主張) ア 一般に、無痛性陰嚢腫大を訴える患者については、精巣腫瘍の発症を疑うこと が重要であるとされている上、精巣腫瘍は、15~35歳の男性に最も多く発症する 悪性腫瘍である。また、精巣腫瘍は、発見が遅れれば致命的な疾患である一方、透光 性検査、超音波検査及びCT検査によって容易に鑑別が可能な疾患でもある。 イ 1月7日及び1月9日の本件拘置支所での診察の際、当時21歳であった亡c が無痛性陰嚢腫大を訴えていたのであるから、診察に当たったd医師及びe医師は、 精巣腫瘍の発症を疑って、その鑑別のために透光性検査、超音波検査又はCT検査を 実施すべき注意義務を負っていた。 ウ それにもかかわらず、d医師は、上記各検査のいずれも実施せず、e医師も、 精巣腫瘍の鑑別には必ずしもつながらない陰嚢水による剥離細胞診を実施しただけ で、やはり、精巣腫瘍の鑑別のための上記各検査を実施しなかったから、両医師には、 上記注意義務を怠った過失がある。 (被告の主張) ア d医師及びe医師が精巣腫瘍を鑑別するために透光性検査、超音波検査及びC T検査を実施しなかったことは認める。 しかし、d医師は、亡cの右陰嚢の腫大について、陰嚢水腫を疑いつつも、精巣腫 瘍によるものである可能性も排除できなかったことから、自身よりも専門的知見を有 するe医師に、亡cの症状につき外科的評価を依頼したのであるし、e医師としても、 d医師の診療録の記載を踏まえつつ、亡cに触診、視診及び問診を実施した結果、精 巣腫瘍を疑い、精巣腫瘍を原因とする陰嚢水腫の場合には陰嚢水に悪性細胞が漏出す ることがあることを踏まえ、陰嚢水の剥離細胞診を実施した。 イ その上で、本件拘置支所には、CT検査装置や陰嚢の検査に適した超音波検査 装置が備えられていなかったことや、我が国においては、泌尿器科を専門としない医 師(以下「非泌尿器科医」という。)の中には、精巣腫瘍の鑑別として、穿刺吸引した 陰嚢水の剥離細胞診を用いる実情があることを考慮すると、両医師は、亡cの右陰嚢 の腫大が精巣腫瘍である可能性を念頭に置いた上で、本件拘置支所の人員や設備に応 じた処置を講じたというべきである。 ウ そうすると、両医師の診療行為はいずれも、臨床医学の実践における医療水準
主文(判決文より)
1 被告は、原告aに対し、150万円及びこれに対する令和3年7月24 日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 2 原告aのその余の請求を棄却する。 3 原告bの請求を棄却する。 4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。 5⑴ 原告aと被告との間の訴訟の訴訟費用は、これを50分し、その49 を原告aの、その余を被告の負担とする。 ⑵ 原告bと被告との間の訴訟の訴訟費用は、原告bの負担とする。
出典
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