非公開決定処分取消等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号平成28(行コ)282
判決日2017-09-22
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及びこれに関する当事者の主張
争点及びこれに関する当事者の主張は,後記5及び6のとおり控訴人及び被
控訴人の当審における補充主張を付加するほかは,原判決の「事実及び理由」
の「第2 事案の概要」の3(原判決4頁11行目~7頁9行目)に記載のと
おりであるから,これを引用する。
5 当審における控訴人の補充主張
本件文書の「公文書」該当性
ア 情報公開条例2条2項の「公文書」
情報公開条例2条2項の「当該実施機関の職員が組織的に用いるもの」
とは,作成又は取得に関与した職員個人の段階のものではなく,組織とし
ての共用文書の実質を備えた状態,すなわち,当該実施機関の組織におい
て,業務上必要なものとして,利用又は保存されている状態のものを意味
する。したがって,職員が自己の執務の便宜のために保有する覚書や資料,
職員の個人的な検討段階にとどまる起案のための草稿,課題等の整理資料,
参考となる事項のメモ書等(以下「個人保有文書」という。)は,これに
該当しない。
情報公開条例2条2項の「当該実施機関が保有しているもの」とは,実
施機関がその意思に基づき保有しているものと解すべきであって,仮に当
該実施機関の職員が当該文書を廃棄せずに保有していたとしても,そのこ
とのみをもって,その文書が当該職員において組織的に用いるものとして
保有しているものにはならない。実施機関として,当該職員に対し残すよ
うに指示したような文書ではなく,事実上,たまたま残っているものは,
その作成・利用・保存・廃棄について,そのいずれの過程においても組織
としての関与は存在せず,専ら職員個人の便宜的判断に委ねられているよ
うなものは,「当該実施機関が保有しているもの」には当たらない。
イ 本件文書の「公文書」該当性
控訴人における一対一メールは,庁内情報利用パソコンを利用する職員
一人につき一つ付与され,本人のみが利用できる個人メールアドレスにお
いて送受信され,個人用メールボックスに保管されているため,当該メー
ルの送受信者しか閲覧することができない。したがって,一対一メールが
送受信された段階においては,必然的に組織としての共用文書の実質を備
えた状態になく,個人保有文書である。送受信した職員が当該メールを他
の職員に転送するなど,当該メールがその後別途組織的に共用された場合,
その時点において,初めて当該組織的に共用されたメールなどに「公文
書」該当性が認められる。本件文書は,大阪市長又はメールを送受信した
職員のみが閲覧できる状態にあるから,組織としての共用文書の実質を備
えた状態にない個人保有文書である。
本件文書は,実施機関が当該職員に対して残すよう指示し,意図して残
したものではなく,事実上たまたま送受信者において個人用メールボック
スに消除されずに残っているものにすぎない

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。