事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和7(ネ)1418 |
| 判決日 | 2026-01-15 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 憲法23条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は、労契法18条1項の適用につき、控訴人が 「労働者」に該当し、本件契約が「有期労働契約」に当たるか 否かである。 第 3 争点に関する当事者の主張 争点に関する当事者の主張は、当審における控訴人の補充 的主張及び被控訴人の反論を以下のとおり加えるほか、原判 決「事実及び理由」の第2の3及び4に記載のとおりである から、これを引用する。 第 3-1 【当審における控訴人の補充的主張】 第 3-1(1) 大学における非常勤講師の位置付けと実態 ア 文部科学省は、一貫して、非常勤講師を労働者として位置 付け、国会答弁や通知等において、大学が直接雇用していな い者に実質的に授業科目を担当させることの不適切さを繰り 返し指摘してきた(文科省令和3年事務連絡のほか、平成1 6年3月15日付け15文科人第326号「法人化後におけ る非常勤講師の給与について(通知)」〔甲28〕、平成19 年7月31日付け19文科高第281号「大学設置基準等の 一部を改正する省令等の施行について(通知)」〔甲30〕)。 イ このため、現在、私立か国立かを問わず、大学においては、 常勤教員であるか非常勤講師であるかを問わず、大学の教員 は「労働者」として処遇するのが一般的であり、非常勤就業規 則において非常勤講師の労働者性を認め、無期転換制度を定 めている(甲20の1~9)。 被控訴人大学を含む少数の大学は、無期転換権を回避する 方策として、非常勤講師との契約を「委嘱契約」などと呼称し 労働関係法理の適用を拒否し続けてきたが、文科省令和3年 事務連絡の発出や文部科学省からの指導を受けて、ようやく 令和4年12月2日に非常勤講師就業規則を策定し、現在は 非常勤講師を労働者として扱うようになった(甲19)。 ウ 大学における常勤教員と非常勤講師の実態として、その業 務は基本的に同一性・共通性を有するといえる。すなわち、常 勤教員も非常勤講師も、担当科目において学生に対し講義、 演習、実習などの形式で教育活動を行うという中核的な役割 は共通であり、その準備作業、試験の作成・採点・レポートの 評価・平常点の評価等の業務、学生からの質問に対応するな どの付随的業務においても同一性・共通性が認められる。 大学からの指揮監督という点においても、シラバスの作成 に関する指示、授業の内容や範囲に関する指示に関し、非常 勤講師と常勤教員の差異はないし、出勤簿への押印、勤務報 告書の提出、その他の業務内容の把握、管理においても、同じ 大学内で非常勤講師と常勤教員で差異はない。 第 3-1(2) 大学教員の勤務の実態を踏まえた判断基準の設定の必要性 原判決は、労契法2条1項の「労働者」該当性の判断は、控 訴人が被控訴人の指揮監督下において労務を提供し、当該労 務の提供への対価として賃金を得ているといえるか
主文(判決文より)
1 原判決を取り消す。 2 控訴人が被控訴人に対し労働契約上の権利を有する地位にあること を確認する。 3 被控訴人は、控訴人に対し、95万2000円及び原判決別紙未払賃 金一覧表記載の各未払賃金額に対する各支払日の翌日から支払済みま で年3%の割合による金銭を支払え。 4 被控訴人は、控訴人に対し、令和4年12月以降、毎月17日限り、 13万6000円及びこれらに対する各支払日の翌日から支払済みま で年3%の割合による金銭を支払え。 5 訴訟費用は第1、2審とも被控訴人の負担とする。 6 この判決の3項は、仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。