相続税法違反被告事件

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号平成29(う)714
判決日2018-02-13
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

本件の争点は,被告人に虚
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偽過少申告の認識・認容があったか,また,共犯者らとの間で意思連絡があったか,これ
らがあったとして正犯性が認められるか,という点であった。
原判決の(争点に対する判断)の構造は,まず,同意書証によって,㋐X(平成25年
11月死亡)から多額の財産を単独相続したAが,相続財産の相当部分を浪費した末に相
続税のほ脱を企て,これがBら大阪グループに順次伝わり,各自が報酬目当てに参画して
いった経緯,㋑当初にBらが考案したほ脱の手口がCやE税理士の意見を受けて変容し,
相続財産の社会福祉法人への寄附の仮装等を内容とする最終的な脱税スキームに落ち着い
たこと,㋒これと並行して遺贈を受ける法人探しが行われ,最後にY会が遺贈による寄附
先となったこと,㋓E税理士が相続税申告書や偽造遺言書を準備し,郵送により提出され
たことなどを前提事実として認定した上,証人らの原審公判供述を含む関係証拠から,
本件への被告人の関与, 被告人と大阪グループとの間の金銭の授受, 脱税スキームに
関する被告人の認識を認定している。そして,これら認定事実を総合して,被告人は,本
件寄附が,相続税対策として行われる実態を伴わない仮装のものと分かりながら,寄附の
受入先の選定・交渉について様々な便宜を図って協力し,大阪グループと寄附の受入候補
先を取り次いだばかりか,候補先に直接説得を図るなどし,最終的に寄附受入先となった
Y会に対し,その内部対立を利用して寄附を受け入れさせており,本件脱税スキーム完成
のために不可欠な役割を果たしたものであるから,虚偽過少申告の認識・認容や共犯者ら
との意思連絡が認められるとともに,正犯性にも欠けるところはなく,被告人は,原判示
の相続税法違反の共同正犯と認められるとするものである。
原判決の認定には,基本的な内容自体に誤りはなく,その結論も相当として是認するこ
とができる。
すなわち,本件においては,原判決が認定した前提事実(それらは同意書証により認定
できる事実であり,当事者間において概ね争いのない客観的事実関係である。)自体が,
被告人に脱税スキームを説明してその理解を得た旨のCらの原審公判供述の合理性を担保
しており,その余の客観証拠も併せれば,被告人が脱税スキームの要点を理解して,仮装
の寄附の受入先となる社会福祉法人探しに協力し,その結果としてY会が寄附の受入先に
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決まったことは優に認められる。そうである以上,その余について検討するまでもなく,
被告人に虚偽過少申告の認識・認容があること,他の共犯者らとの順次共謀が成立するこ
と,正犯性が認められることは,明らかである。
当初,Bが構想した脱税スキームは,宗教法人に相続財産を寄附する形にして,一定の
手数料を法人側に残し,残りを還流してもらうというもの(

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。