事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(ネ)247 |
| 判決日 | 2018-08-30 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項、憲法14条1項、民法774条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び当事者の主張 (1) 本件各規定の憲法14条1項及び24条2項適合性 ア 控訴人ら 後記4のとおり当審における主張を付加するほか,原判決「事実及び理 由」の第2の2(1)イ及びウに記載のとおりであるから,これを引用する。 イ 被控訴人 後記4のとおり当審における主張を付加するほか,原判決「事実及び理 由」の第2の2(2)イ(ア)及び(イ)に記載のとおりであるから,これを引用す る。 (2) 立法不作為の違法性 ア 控訴人ら 原判決「事実及び理由」の第2の2(1)エに記載のとおりであるから,こ れを引用する。 イ 被控訴人 原判決「事実及び理由」の第2の2(2)イ(ウ)に記載のとおりであるから, これを引用する。 (3) 損害及び因果関係 ア 控訴人ら 原判決「事実及び理由」の第2の2(1)オに記載のとおりであるから,こ れを引用する。 イ 被控訴人 不知又は争う。 4 当審における当事者の主張 (1) 控訴人ら ア 父子関係が子の保護のためのものであり,それを守ることが子の保護の ためになるというのであれば,本件各規定が夫の子に対する嫡出否認権を 認めたことは背理となる。子が非嫡出子となる場合でも,夫については自 由に嫡出否認権の行使を認めるのに対して,妻や子については嫡出否認権 の行使を一切認めない区別に合理的な理由は存在しない。 すなわち,嫡出推定規定の「早期に子の法律上の父を推定することで, 子の保護を図る」側面からは,嫡出否認権は,いわば夫の意思により子と の嫡出推定を否定する「特権」である。特権を有する夫に対して妻や子は 父子関係の嫡出推定を否認する権利を一切保障されていないのであるか ら,その区別に合理的な理由は存在しない。 また,嫡出推定規定の「血のつながりを守る制度」としての側面からは, 夫に認められている嫡出否認権は,「血のつながりを守る制度」としての権 利保障である。それは妻や子にも保障されなければ均衡を欠く結果となる。 客観的に決まる「血のつながり」の否認権を夫にのみ保障することに合理 的な理由はない。 DNA技術と医療技術の発達により,嫡出否認権の行使を制限的に夫に のみ認めた民法制定当時の根拠は失われ,妻や子に嫡出否認権が保障され ても科学的に問題のない状況となっている。 イ 非嫡出子として戸籍に記載されることと比較すると,戸籍に記載されな い無戸籍となることの人権侵害は甚だしい。完全に家庭が破壊された段階 で子が生まれた場合に,画一的に夫にしか嫡出否認権がないとするのは, 余りに妻や子に酷である。 妻や子は嫡出推定が及ぶ夫との父子関係を否定できない場合には,妻や 子との継続的な接触を持つことを希望する夫からの暴力のおそれや心理 的不安から,子の出生届を提出することができなくなり,その結果,多く の無戸籍児が生まれている。
主文(判決文より)
1 本件各控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。