建物明渡等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号平成29(ネ)2607
判決日2018-10-12
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点
(1) 法25条2項所定の通知の有無(争点1)
(2) 法25条2項所定の通知を経ないでされた法32条1項6号に基づく明
渡請求の適否(争点2)
(3) 明渡請求における正当事由(借地借家法28条)の要否(争点3)
(4) 権利濫用又は信義則違反の有無(争点4)
4 争点に対する当事者の主張
争点に対する当事者の主張は,後記5のとおり,当審における当事者の補充
主張を付加するほかは,原判決「事実及び理由」中の第2の5(原判決9頁5
行目から16頁25行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。
ただし,原判決10頁16,17行目を削る。
5 当審における当事者の補充主張
【控訴人】
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(1) 法25条2項の通知を欠いていること(争点1の補充)
以下の理由により,被控訴人は,控訴人に対し,法25条2項の通知をし
たといえないから,法32条1項6号,条例50条1項7号に基づき,本件
部屋の明渡しを求めることはできない。
ア 入居者決定時に通知されていないこと
控訴人に対して法25条2項に定める事項が通知されたのは入居許可
時であり,入居者決定時に通知されていない。
法25条2項の通知が入居者決定の段階でされなければならない理由
は,以下のとおりである。
(ア) 入居決定者は,入居日の10日前頃に行われる入居許可時には現居宅
の退去手続を済ませており,公営住宅に入居しないという選択をするこ
とは実際には不可能であるから,法25条2項の通知が入居許可時にさ
れても,入居すべきか否かを検討する機会が与えられたとはいえない。
(イ) 借上げでない公営住宅に入居していれば終身居住の権利が保障される
のに,借上公営住宅に入居すると,将来のある一定の時点で,転居が困
難な状況にあっても必ず他の公営住宅への転居を義務付けられる。借上
公営住宅からの明渡しに伴い他の公営住宅への入居が保障されているこ
とをもって,入居者保護に欠けるところがないということはできない。
(ウ) 入居許可に先立って行われる入居者の決定は行政処分であり,法25
条2項の通知は,その行政処分の内容を明らかにするため,借上期間及
び借上期間満了後の明渡義務を通知することを定めたものであるから,
その通知は,入居者の決定を行った段階で行わなければならない。
(エ) 条例19条の2第3項,規則20条の4は,一定の期間を限って入居
を許可する定期入居制度において,入居予定者に対し,更新がないこと
及び入居期間満了によって明け渡さなければならないことを説明するよ
う定めているが,上記制度と借上公営住宅との間で整合性を図る必要が
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ある。
(オ) 法に借上公営住宅に関する規定が設けられた平成8年改正法の施行直
後に建設省が発出した「公営住宅管理標準条例(案)について」(平成
8年

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 なお,原判決主文第2項は,被控訴人の請求の減縮により,「控訴人は,
被控訴人に対し,142万1030円及び平成30年4月1日から前項の明
渡済みまで1か月8万3000円の割合による金員を支払え。」と変更され
ている。
3 控訴費用は,控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。