行政不作為違法確認等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号平成30(行コ)62
判決日2018-10-25
分類行政
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法234条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点(1)~(3)について
原判決「事実及び理由」第3の1ないし3を引用する。
3 争点(4)について
(1) 法9条1項に基づく除却命令は,建築基準法令の規定又は法に基づく許可
を付した条件に違反した建築物について発せられるものである。
(2) 本件建築物は,準防火地域内にあり,その西側の外壁は,本件境界線から
約10cm の位置にあるところ,外壁の構造は耐火構造ではないと認められる
(被控訴人は,同外壁が耐火構造でないことについて積極的に争っていない。)。
控訴人は,本件建築物が法65条の要件を満たしておらず,民法234条
1項の距離制限に違反する違法な建築物であるから,茨木市長は,本件建築
物につき法9条1項に基づく除却命令を発する権限を有すると主張するもの
である。
(3) 法65条は,その文言を素直に読む限り,防火地域又は準防火地域内にあ
る建築物で,外壁が耐火構造のものについて,その外壁を隣地境界線に接し
て設けることを許容する趣旨の規定と理解するほかはなく,同条が,建築確
認申請の審査基準として,防火地域又は準防火地域内にある建築物の構造や
外壁と隣地境界線との距離について規制する趣旨の規定と解することはでき
ない。また,建築基準法令において,建築確認申請の審査基準として,防火
地域又は準防火地域内にある建築物の外壁と隣地境界線との距離について規
制している規定はない(法において,建築物の外壁と隣地境界線との距離に
つき規制している規定としては,第一種住居専用地域内における外壁の後退
距離の限度を定めている54条の規定があるにとどまる。)から,法65条を
他の規定によって定められた建築確認申請の審査基準を緩和する趣旨の例外
規定と解することもできない。そうすると,法65条は,耐火構造の外壁を
設けることが防火上望ましいことや,防火地域又は準防火地域における土地
の合理的,効率的な利用を図る必要があることに鑑み,右各地域内にある建
築物で外壁が耐火構造のものに限り,相隣関係に関する民法234条1項の
規定の適用を排除し,その外壁を隣地境界線に接して設けることができる旨
を定めたものであり,同項の特則規定であると解するのが相当である(最高
裁昭和58年(オ)第1413号平成元年9月19日第三小法廷判決・民集4
3巻8号955頁)。
(4) 民法234条1項は,相隣接する土地所有権の内容に制限を加え,私人間
の権利関係を調整する規定である。一方,建築確認申請(法6条1項)の審
査基準となる建築基準法令の規定は,建築物の敷地,構造,設備及び用途に
関する最低の基準を定めて,国民の生命,健康及び財産の保護を図り,もっ
て公共の福祉の増進に資するという法の目的(1条)に基づいて定められる
ものであり,相隣関係の調整に関する規定である民法234条1項とはその

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。