事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(行コ)86 |
| 判決日 | 2018-12-13 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び争点に関する 当事者の主張は,後記3のとおり「控訴人の当審における補充主張」を付加す るほかは,原判決「事実及び理由」の「第2 事案の概要」の1ないし4のと おりであるから,これを引用する。ただし,原判決6頁2行目の「DV被害 者」を「ドメスティックバイオレンス(以下「DV」という。)の被害者」と 改める。 3 控訴人の当審における補充主張 (1) DVにより,夫婦関係が暴力的,支配的な関係にありながら,婚姻関係 が破綻していない夫婦関係は一定数存在するところ,本件は,DVの激しさ に加え,韓国の旧家の出身で,男尊女卑等の思想の強い夫と,それに従順に 従ってきた妻である控訴人が,比較的円満に23年余り過ごし,晩年の1, 2年間に激しい身体的,精神的,性的暴力を受けて,生命の危険を感じて, 緊急避難し,引きこもりとなり,6年余りを過ごした事案であり,長期間夫 婦として連れ添った高齢の夫婦が年金生活に入った後に,夫が死亡した場合 における妻として,控訴人の生活保障が図られるべき事案である。 厚年法,国年法に基づく遺族厚生年金等の制度及び離婚時年金分割制度に ついては,夫婦が死別した場合には遺族厚生年金等により生活が保障され, - 2 - 離婚した場合には老齢厚生年金に関する年金分割により,その生活の安定と 福祉の向上を実現するものとして理解されるべきである。このような法制度 の趣旨や実質的機能が共通していることに照らし,DV防止法の趣旨及び例 外条項の文言を併せ考慮すれば,夫から激しい暴力を受け,生命身体の危険 を感じて夫から逃れた妻が,身体的にも精神的にも多大なダメージを受け, 多大な恐怖,不安により外部との接触を断ち,緊急避難生活を継続し,身体 的にも精神的にも,夫に対して婚姻費用の分担を求めることが不可能である 場合等においては,夫からの直接の音信がないとしても,個別具体的な事情 を考慮し,かつ,婚姻費用分担義務等の規範的要素をも考慮することによっ て,例外条項に当たると解すべきである。そのように解さなければ,亡Bの 死亡により,妻として貢献し,扶養されてきたことに基づく生活保障を受け るためには,何ら帰責性のない配偶者である控訴人は離婚するしかなく,離 婚を強いるに等しい不合理な結果となる。 (2) α市の担当職員,大阪市β区の担当職員が,控訴人に対し,外国人登録 の変更を生活保護受給の要件として指導したのは,違法というべきであり, 各市の職員と厚生労働大臣は,いずれも行政として行政サービスを受ける者 に対する立場において共通しており,生活保護は最低限の生活保障であって, 亡Bが控訴人に対して負う生活保持義務に劣後するから,各市の職員と厚生 労働大臣は,控訴人が遺族厚生年金の受給資格を喪失しないよう配慮すべき 義務を負う。そして,厚生労働大臣が,
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。