事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成22(う)42 |
| 判決日 | 2010-04-22 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 憲法13条、憲法21条、憲法29条2項、憲法31条、憲法32条、憲法76条1項 |
この事件の代理人
- 宮田桂子(不明)/第一東京弁護士会
争点(判決文より)
争点や証拠を整理することとして集中的・計 画的審理の実現を図り(同法49条),出頭した裁判員に対して旅費・日当を支給 する(同法11条)等,国民の負担を軽減する措置を講じている。裁判員制度の意 義の重要性を踏まえて,これらの点を考慮すると,裁判員になることが義務付けら れているとはいえ,それは裁判員制度を円滑に実施するための必要最小限度のもの と評価することができ,そのような制度が憲法13条,18条,19条等に抵触す るとはいえない。 次に,守秘義務についてみると,憲法21条が保障する表現の自由も公共の福祉 による合理的で必要やむを得ない程度の制限を受けることがあるところ,裁判員, 補充裁判員及びこれらの職にあった者に守秘義務を課すことは適正な刑事裁判を行 うために必要不可欠なことであり,裁判員法108条に規定する内容の刑罰を伴う 守秘義務を課すことは憲法21条に抵触するとはいえない。 また,裁判員等に生じる財産的負担についてみると,財産権にはそれ自体に内在 する制約があるほか,憲法29条2項により立法府が社会全体の利益を図るために 公共の福祉に適合するような規制を加えることができることとされており,裁判所 としては,立法府の判断が合理的裁量の範囲を超えるものである場合に限り憲法2 9条2項に違背するものとしてその規制立法の効力を否定することができるものと 解すべきである(最高裁判所大法廷昭和62年4月22日判決・民集41巻3号4 08頁参照)ところ,上記の裁判員制度の目的が公共の福祉に合致することは明ら かであるし,所論が指摘する財産上の不利益が生じる可能性があるからといって, 裁判員制度を設置した立法府の判断が合理的裁量の範囲を超えるものとはいえない。 所論は,採用できない。 3 所論は,裁判員制度における手続について,①証拠開示手続に著しい不公平が ある,②裁判員に対する分かりやすさ,参加しやすさばかりを指向した争点・証拠 の絞り込みが行われるため,本来あるべき刑事裁判の主張や立証の在り方を切り捨 てている面がある,③弁護人が検察官と同様に冒頭陳述を行うことで,裁判員が検 察官の主張と弁護人の主張のいずれが正しいのかという見方をしてしまい,本来検 察官に立証責任があるにもかかわらず,弁護人の主張が信用できないからという理 由で検察官の主張を正しいと判断するという事態を生じかねないという制度的な欠 陥がある,④裁判員への分かりやすさを追求するあまり,扇情的あるいは誤導的な 主張,立証が行われる危険がある,として,憲法31条に規定する適正手続の保障 を侵害するものである,という。 しかし,①について,現行の証拠開示制度は,充実した公判審理を継続的,計画 的かつ迅速に行うための公判前整理手続において,当事者に主張を明示させ,類型 的証拠のほか主張関連証拠を開
主文(判決文より)
本件控訴を棄却する。 当審における未決勾留日数中90日を原判決の刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。